_書き方のコツ(ES)
【内容ダイジェスト】
◆エントリーシートを提出させる狙いは2つ
(1)企業側の工数削減
⇒特定のところに注目して選考できるので企業は楽!
(2)一定の条件をクリアしてるか確認
◆条件をクリアするためのポイント3つ
(1)結論から書く
⇒起承転結ではない!
(2)相手の味覚に合わせる
⇒自分の一番自信のあるエピソードではなく、相手に一番合いそうなエピソードを選ぶ!
(3)一貫性
⇒色々な面を見せると一貫性がなくなるリスクあり!
【プロローグ】
就活でよくある悩みや陥りがちな罠を紹介しながら、ストーリー形式で解決していく構成になってます。登場人物と自分の性格を照らし合わせて、共感できる部分はぜひ参考にしてください。
【登場人物】

~就活マスター~
就活のことなら何でも知ってるプロのアドバイザー。

~ヒカリ(就活生)~
楽観的な性格。直感で判断することが多く論理性に課題。

~トオル(就活生)~
冷静でクールな性格。頭で考えすぎて動けない事が多く行動力に課題。

今度エントリーシートを提出するんですが、何かコツがあれば教えてほしいです!

わかりました。エントリーシートのコツですね!
まずは企業がなぜエントリーシートを提出させるのか、その狙いを知ると自然と「良い書き方」が見えてきます。
エントリーシートは履歴書と違い、企業ごとのオリジナルフォーマットになってます。
本来、学生の基本情報や主なPRポイントを把握するのであれば履歴書で十分なはずです。
ではなぜ、エントリーシートを提出させるのでしょうか。
目的は大きく2つあります。
(1)企業側の工数削減
(2)一定の条件をクリアしてるか確認
(1)については、学生目線からすると工数は増えますよね。
履歴書だったら書くことが毎回一緒だから、一度作り込めば後はそんなに苦労しないです。
逆にエントリーシートは毎回違うことを聞かれるし、文字数制限もあるから同じ内容を使いにくいわけです。
では、企業目線だとどうなりますか?

エントリーシートは毎回同じところをチェックすれば、ある程度同じ情報が収集できるから楽ですね。
逆に履歴書は学校によってフォーマットが違うから確認する手間がすごいかかると思います!

その通りです。
だから企業はエントリーシートを提出させることで、履歴書を使うよりチェックスピードが速くなるというのが、一つ目の大きな理由です。
その証拠に会社規模が大きいところは基本的にエントリーシートを提出させますが、
小規模な会社はエントリーシートを提出させるところが少なくなります。

確かに企業側からすると何千枚もチェックするから、できるだけスピーディーにやりたいですよね。
学生からしても書類選考に時間かかりすぎるのはちょっと困るので、早い方が助かります!

大きい会社だとエントリー数が1万を超えることも全然ありますよ。
書類選考に時間がかかると学生も次に進めないから、企業にとっても学生にとっても、助かる仕組みだと思います。
次に(2)の「一定の条件をクリアしてるか確認」とありますが、こっちが非常に重要です。
それぞれ会社ごとに活躍する人材のパターンが違います。
こんな経験がある人が入社後活躍しやすい。とか、
こんな行動特性をもっている人が活躍しやすい。とか、
過去のデータをもとに、その会社にベストマッチな人材を見極めようとしてます。
ただ書類で確認するには限界があるため、まずはエントリーシートである程度の条件をクリアしているのかチェックします。
ヒカリさんも彼氏に求める条件は、過去の恋愛経験を参考にしてませんか?

めちゃくちゃしてます!!
前の彼氏がB型で全然合わなかったので、もうB型とは付き合わないって決めてます!

だいぶ大胆な条件ですね!
世の中の男性の1/4を切り捨てたわけですね。笑
まぁでも過去の経験から条件を付けて見極めるという考え方を、企業も同じように持っているということが理解できればOKです。
企業がエントリーシートで知りたい内容は「ある一定の条件をクリアしているかどうか」です。
それを見極めるための質問だということを念頭に置いて、これから話す「書き方のコツ」を聞いてください。

わかりました!
会社で活躍する人材かどうか見極めるというより、まずは一定の条件をクリアしているかどうかを見極めるための、エントリーシートってことですね!

そうです!
主に次の3つのポイントに注意して書いてください。
【1】結論から書く
【2】相手の味覚に合わせる
【3】一貫性
【1】はそのままですが、質問に対して結論から書きましょう!
国語の授業で「起承転結」と習いましたが、ビジネスの世界では結論が最初です。
企業はたくさんのエントリーシートをチェックするため、文章を最後まで読まない可能性があります。
最初の2~3行で言いたい事が言えてなかったら、ダメ!と判断してしまうところもあるので、”結論から書く”は重要です。

学校では「起承転結」で習ってきたから、結論は最後が美しいと思っていたけど、社会人は逆なんですね!
気を付けないと!!

学校で習ってきたことと社会は逆だったりすることが結構あります。
例えば、カンニングもそうですね。
学校では絶対的に禁止されてますが、社会人になると、デキる人から色々盗んで成長できる人が優秀な人材です。
いわゆるカンニングがうまい人です。
学校では規律性とかルールを守ることの大切さを教える意味合いもあると思うので、学校教育を否定するつもりはないですが「学生のルール」と「社会のルール」に差を感じてしまうことがあるので、注意が必要です。
ちょっと脱線してしまったので、話を戻しますね。
次に【2】相手の味覚に合わせるとありますが、これだけだと意味がわからないですよね。
相手の意図をくみ取って、相手にとって魅力のある情報を伝えよう!ということです。
質問には必ず意味があります。
なぜ、この質問をするんだろう?
これで何を知りたいんだろう?
と相手の意図をくみ取ることがファーストステップです。
この質問は自分の性格を知りたいのかな?とか
マインドを知りたいのかな?とか
行動特性を知りたいのかな?とか
ある程度予想できます。
そしたらメインメッセージを決めます。
性格を知りたいんだったら、メインメッセージは「ポジティブな性格」にしよう!とか、
マインドを知りたいんだったら、メインメッセージは「成長志向」にしよう!とか、
行動特性を知りたいんだったら、メインメッセージは「考えるより先に動くタイプ」にしよう!とか、
企業に伝えたい自分の特徴を書いていきます。
ただ一旦ここでストップです!
”相手の味覚”という感覚が重要になるからです。
メインメッセージを決める時に、一番自信があるからという理由で決めてないですか?
相手の好みに合わせたPRになってますか?
企業の求めている条件がそれぞれ違うことは先ほど説明しました。
別の言い方をすると、それぞれ好みがあるということです。
料理で例えましょう。
トオルさん!
「お腹が空いたので何か作ってください」と私がお願いしたらまず何をしますか?
いきなり料理を作り始められますか?

いや、いきなり作らないです。
まず何を食べたいか聞いたり、嫌いな食べ物はないか確認してから作ります。

そうですよね。
相手の味覚の好みがわからないと、作れないですよね!
料理では必ず相手の味覚を確認してから作るのに、
就活では相手の味覚を考えずに、自分の得意料理をいきなり作り始める人が多いんです。
何が言いたいかというと、就活では一番自分が自慢できる、自信のあるエピソードを伝えたい!という気持ちが強すぎて、その得意料理を誰に対しても提供してしまうのです。
でもどんなにピザが得意料理だったとしても、チーズが苦手な人に提供したら、美味しいと思ってもらえないですよね。
2つ目のポイントにあった「相手の味覚に合わせる」とは、企業の好みに合わせて、自分の特徴を伝えよう!ということです。
先ほど質問の意図をくみ取ったら、それに合わせてメインメッセージを決めるという話をしましたが、
判断基準は「一番自信があるから」とか「一番伝えたいから」という理由ではありません。
相手の好みはこれだろうな、とイメージしてそれに合う自分のエピソードはどれになるのか、という判断基準で選ぶことが必要です。
相手の味覚を把握したら、自分が作れる料理の中で一番それに近いものはどれだろう、と考えて作る感覚です。

なるほど~!
私は完全に一番料得意理を全員に提供しようとしてました。
でもそれって、たまたまその味が好きな人だったら選考通過するけど、合わなかったら不合格ですもんね。
選考通過率にバラつきが出そう・・・

その通りです!
毎回自分の得意料理を提供して、たまたまうまくいってる人はいますが、自分の人生がかかってる就活が「たまたま」に左右されたくないですよね。
だからちゃんと”相手の味覚に合わせる”という考えを忘れずにエントリーシートの内容を選びましょう。

すごい参考になりました!
まだエントリーシートを書いたことないですが、意識して書けるようにします。

ただ、大前提としてエントリーシートは、
会社で活躍する人材かどうか見極めるというより、
まずは一定の条件をクリアしているかどうか、
を見極めることが主な目的なので、すごく厳密に味覚に合わせる必要はありません。

大きくズレなければ良いということですね!

そうです!
では最後の【3】一貫性についてです。
企業の味覚に合わせて、自分の色々な面を見せると、最終的に一貫性がなくなるリスクがあります。
でもそれは仕方ありません。
なぜなら人間は誰しも一貫性に欠ける存在だからです。
ある時は慎重に判断するけど、別のところでは直感ですぐ判断したり、
学校の友達には天然キャラと言われるけど、バイト先ではしっかり者と言われたり、
自分の中に色々なキャラクターが存在します。
だから、イベントスタッフのバイトを思い浮かべながら、長所を書くと「リーダーシップ」になるけど、
サークルを思い浮かべながら、学生時代に力を注いだことを書くと「縁の下の力持ち」になる。
という矛盾が出てくることは自然です。
ただし、それをそのまま企業に提出すると一貫性がなくて、書いてる内容の信頼性が低いと判断されてしまいます。
なので、エントリーシートを書き上げたら、必ず全体を通して一貫性があるか最終チェックをする必要があります!

確かに色々な側面を見せると一貫性がなくなってしまう可能性が高いですね。
もし一貫性がない部分が見つかったらどうすれば良いんですか?

そしたらやはり”相手の味覚”に立ち返りましょう!
主張に矛盾が出てるということは、味付けがバラバラになっているということです。
甘口と辛口の料理が出来ていて、どちらに寄せるのかは、食べさせる相手がどっちを好むかです。
味覚に合わせて最終調整が出来れば、一貫性があって、相手の好みにも合っているので、書類の通過率は確実に上がります!

なるほど!
やっぱり相手の味覚を知ることはすごく重要ですね!

将来、良いお嫁さんになるためにも、料理の腕を上げてバリエーションを増やすことが大事だと気付きました!!
どんな味覚の人がきても対応できる腕前になってやる!!
夫の胃袋を握ると強いって聞いたことがあるし♪

いいですね!
就活で得た教訓を実生活に活かせるのは素晴らしいです!
ちなみに今の腕前は?

うーんと・・・
これから上達する見込みです!
今の腕前は聞かないでください!

最近作った料理は?

ゆで卵作ったよ!
ちゃんとネットで検索して作ったから上手にできた♪

ゆで卵を検索して作る人なんて聞いたことねーし!笑

まだまだ道は遠そうですね。笑