_企業研究の基本の型(誰に・何を・どのように)
【内容ダイジェスト】
◆企業研究は「誰に」「何を」「どのように」の3つを抑える
◆「誰に」とは?
お客様が誰なのか確認する。
サービスや商品を提供している先が不明だと説明会が理解できない。
◆「何を」とは?
どんな商品・サービスを取り扱っているのか確認する。
その会社の武器にあたる部分。
◆「どのように」とは?
どんな方法を使ってお金を稼いでいる会社なのか確認する。
ここに競争優位性や差別化ポイントが隠れている。
【プロローグ】
就活でよくある悩みや陥りがちな罠を紹介しながら、ストーリー形式で解決していく構成になってます。登場人物と自分の性格を照らし合わせて、共感できる部分はぜひ参考にしてください。
【登場人物】

~就活マスター~
就活のことなら何でも知ってるプロのアドバイザー。

~ヒカリ(就活生)~
社交的で楽観的な性格。直感で判断することが多く論理性に課題。

~トオル(就活生)~
冷静でクールな性格。頭で考えすぎて動けない事が多く行動力に課題。

説明会に参加する前に、どのぐらい企業研究をしたら良いのでしょうか。
1社1社にそこまで時間をかけ過ぎないほうが良いとは思うのですが、全く知らない状態で行くのはキケンな気がします。

私も今度説明会行くので知りたいです!
企業研究の方法!

えっ??もう行くの?
早いね!!

企業研究で最低限抑えるポイントと、どうやって調べるのか簡単に説明しましょう!
まず、企業研究の基本の型があります。
それは、
「誰に」
「何を」
「どのように」
という3つの枠で企業を整理することです。

おっ!なんか便利そうな匂いがする!!

では、最初に「誰に」というポイントですが、これは企業のお客様を指してます。
誰に対してビジネスを展開しているのか、お客様がわからないと何も始まりません。
そして企業が最も大事にしているお客様を知らずして、「働きたいです!」と言っても全く説得力がありません。
説明会に参加する前にここを調べておかないと、話を聞いても働くイメージがわかないので、まずは「誰に」を調べる必要があります!
これはホームページを見るとわかります。
ただ何となくホームページを見ても気付きにくいですが、探すものがわかっていれば簡単に見つかります。

お客様を調べることはわかりました。
ただお客様っていっても、BtoBとかBtoCぐらしか知らないんですけど・・・

なるほど、そういうことですね。
では、もう少しかみ砕いて説明します。
まずBtoBかBtoCで大きく分けるまでは良いと思います。
企業に対してサービスを提供しているのか、
個人(一般消費者)に対してサービスを提供しているのか、
そこがわかれば次に、
BtoBであれば、どんな業界に対してサービス提供している割合が多いのか、
BtoCであれば、性別・年代・収入別など、どんな属性の人にサービス提供している割合が多いのか、
これを確認します。
そうすることで、その企業がターゲットにしている客層がわかるので、「誰に」対してサービス提供しているのか、少し具体的に見えてきます。

なるほど!そうやって少しずつ絞り込んでいくイメージですね!

あっ!ごめんなさーい!!
BtoBとBtoCって何ですか?

BtoBとは、企業と企業の間でお金が発生しているビジネスモデルです。
例えば、広告業界はメーカーが作った商品をPRするために、メーカーからお金をもらって、PR活動をします。
企業から企業へお金が流れているので、これをBtoBと言います。
BtoCとは、企業と個人の間でお金が発生しているビジネスモデルです。
例えば、普段電車に乗る時に乗車運賃を払ってますね。JRなどの鉄道会社は個人からお金をもらって電車を動かしているため、BtoCになります。
ただ電車の中に広告があったりしますよね。
あれは企業からお金をもらって広告を出しているので、BtoBのビジネスモデルも持っているということです。
何となくイメージがわきましたか?

理解できました!
お金がどこからどこに流れてるかがポイントなんですね!

そうです!
食品メーカーがお菓子を作って売ろうと思った時に、卸売業者が仕入れて、小売店(コンビニとかスーパー)に陳列してもらい、一般消費者(個人)がお菓子を購入します。
したがってお金の流れは、個人が小売店に支払って、小売店が受け取ったお金は卸売業者が手数料を取って、メーカーに流れていきます。
なので、「個人と小売店」の間はBtoCで、「小売店と卸売業者」、「卸売業者とメーカー」はBtoBになります。
メーカーは一般消費者向けに商品を作って提供してるから、BtoCと勘違いする人もいますが、お金の流れを見ると直接、個人からお金をもらってるわけじゃないので、BtoBだということがわかります。
(正確に言うとBtoBtoCです)
こうやって、まずはBtoCの会社なのか、BtoBの会社なのか調べると、そこから徐々に絞り込んで、ターゲットとしている客層が見えてきます。

わかりました!
これを使って「誰に」を調べてみます!

では、次に「何を」について説明します。
これは商品を意味しています。
誰に対して、どんな商品(サービス)を提供しているのか把握することで、その会社の”武器”がわかります。
「何を」だけで考えるのではなく、必ず「誰に」とセットで考えるようにしてください。
なぜかと言うと、企業によってBtoCとBtoBで提供している商品(サービス)が異なることがあるからです。
先ほどの鉄道会社でいうと、「電車で移動する」というサービスは、個人に対して提供しているもので、
「電車を使ってPRする」というサービスは、企業に対して提供しています。
そして「何を」に関しても、ここから絞り込んで調べていきます。
まずは「無形商材」と「有形商材」で分けるのが良いでしょう。

無形商材とは、金融とか人材サービスとか形のない商品のことですね。

そうです。
そして有形商材は、メーカーとか商社とか形のある商品を取り扱っている仕事です。
ちなみに総合商社はトレーディング機能と言って、形のあるモノを流通させることで、売上を上げている部分と、投資機能と言って、色々なモノへの投資をすることで、売上を上げている無形サービスもあります。
今はひとつの会社でも色々なビジネスモデルをもっていたりするので、そこはちゃんと調べる必要があります。
そして無形商材か有形商材か把握できたら、
「価格帯が安いモノなのか、高いのか」
「長く使うモノなのか、短いのか」
「消耗品なのか、残るモノなのか」
など、いくつかカテゴリーで仕分けして、その商品の特性を掴みます。
例えば、「車」であれば、価格帯は高い!
そして長く使うモノで、残るモノに入ります。
これがわかると、価格が高いということは、お客様と信頼関係が重要そうだな。とか、
長く使うモノであれば、1人の顧客と長い付き合いをする働き方だな。とか、
残るモノを取り扱うってことは、消耗品に比べてお客様が買うときに慎重に検討する可能性があるな。とか、
そこから色々と働き方のイメージがわいてきます。
仕分けをする方法は色々あるので、上で挙げた3つで必ず見るというよりは、目安として使ってもらえればと思います。

取り扱っている商品(サービス)の特性を知るだけで、働き方のイメージにも繋がるんですね!
あんまりそこは意識してなかったので、そこまでイメージするように企業研究してみます。

では、最後に「どのように」の部分です。
これは、どんな方法を使って、商品(サービス)を提供しているのかを知るために必要なポイントです。
「誰に」対して「何を」提供しているのか把握できたら、どんな方法を使ってお金を稼いでいる会社なのか、ビジネスモデルの核となる部分を把握しましょう!
もっと簡単にいうと、【どこにお金を使って】どのタイミングで【¥チャリン】とお金が入る仕組みなのか把握することです。
例えば銀行であれば、お金を貸して、毎月返済をしてもらう時に「利子」が入ります。
だからお金の使い方は「人に貸す」です。
そしてお金が入る仕組みは返済時の「利子」です。
もちろん、銀行は他にも手数料や投資など色々な方法で儲ける仕組みがありますが、イメージしやすいので、お金を貸すときのビジネスモデルを説明しました。
他にもIT企業であれば、システムを作って、それを売って、メンテナンスなどサポートすることでお金を稼いでいます。
だからお金の使い方は「システム開発費用」です。
そしてお金が入る仕組みは販売時の「システム販売金額」とその後のサポートによる「保守費用」になります。
これらはその業界の一般的なビジネスモデルですが、会社によって「どのように」が微妙に違ったりします。
それが企業にとっての競争優位性であり、差別化ポイントになります。

「どのように」を把握すると、全体像が見えるので、企業研究に有利ですね!
今まで何となく企業研究してましたが、デタラメでした。
ポイントとなるところを間違えなければ、結構効率よく企業研究できそうです!

それでは最後に念のため、まとめておきますね。
企業研究の基本の型は3つ。
「誰に」
「何を」
「どのように」
「誰に」は、
お客様を指します。
BtoBなのかBtoCなのか把握したら、業界・年代や性別などターゲットとしている顧客をそこから絞り込んでいき、お客様の特性を把握します。
「何を」は、
商品(サービス)を指します。
これで企業の”武器”を把握して、有形・無形や高額・低額、長い・短い、など絞り込んでいき、その商品(サービス)の特性を把握します。
※「何を」だけで調べるのではなく、「誰に」と必ずセットで調べることが重要!
「どのように」は、
ビジネスモデルを指します。
その企業がどこに「お金を使って」、いつ「¥チャリン」とお金が入るのか仕組みを理解する。
企業によって「どのように」が微妙に違うので、競争優位性や差別化ポイントになる。
これで企業研究をすれば、無駄に時間を使うことなく、ポイントを抑えられます。

「誰に」「何を」「どのように」
シンプルだけど、すごい便利なツールですね!

そうなんです。
この3つを把握してれば、企業に「うちのビジネスモデルわかる?」と聞かれた時もシンプルに答えられます。
「御社は●●の客層を中心に、●●と●●という商品の売上を伸ばしています。●●にお金をかけて、●●のタイミングで利益を出していると理解してます」
みたいにシンプルにその会社がやってることを、まとめて話すことができるようになります。

そんな風にスラスラ話せたらかっこいいな~♪
企業研究の時は、その3つを意識して調べるようにクセつけます!

いきなる使えるようにはならないので、徐々にやりながら慣れていけば良いですよ!

よーし!俺も企業研究するために、まずは説明会にいく会社を決めないと!

そんなに悩むんだったら、私が決めてあげようか?!
すぐ決まるよ!!

いや、自分でちゃんと決めるよ!
来週までには・・・

遅いっ!!
今日中にしよっ!!

確かに就活はある程度勢いも必要です!
ヒカリさん!たまには・・・
いや、いつも良いこと言いますね!

あっ!今”たまには”って言おうとしましたのよね??
っていうか言ってましたよね!?

いや、気のせいですよ・・・

なーんだ!気のせいか♪

お前、騙されやすいタイプだろ!笑