_文章をスリム化するコツ
【内容ダイジェスト】
◆文章を「森・林・木」に分ける
⇒抽象度を示す例えで、
「森」が一番抽象度が高い(具体性が低い)
「木」が一番抽象度が低い(具体性が高い)
「林」はその中間
◆スリム化する時は「林」を削る
⇒林を見分ける方法は、他の言葉に置き換えた時に、文章全体に影響が出ないもの
◆森と木の比率は2:8が理想
⇒抽象度が低い話は人の記憶に残りやすい
だから抽象度の低い話が多いと◎
ただ場面設定など全体像を伝える部分も必要
一番バランスが良いのが森2割、木8割!
【プロローグ】
就活でよくある悩みや陥りがちな罠を紹介しながら、ストーリー形式で解決していく構成になってます。登場人物と自分の性格を照らし合わせて、共感できる部分はぜひ参考にしてください。
【登場人物】

~就活マスター~
就活のことなら何でも知ってるプロのアドバイザー。

~ヒカリ(就活生)~
社交的で楽観的な性格。直感で判断することが多く論理性に課題。

~トオル(就活生)~
冷静でクールな性格。頭で考えすぎて動けない事が多く行動力に課題。

履歴書やエントリーシートに書きたいことはたくさんあるんですが、スペースが少なくて入りきりません!どうすれば良いですか?

確かに、エントリーシートでは文字数制限をしているところもあると聞いたことがあります。
私もまとめる方法を知りたいです!

それでは文章をスリム化する方法を教えましょう!
書くことがなくて困っている就活生もいますが、逆に書くことが多くて、書ききれないという就活生もいると思います。
まぁ嬉しい悩みですね!
では、どうやって文章をスリム化していくのか。
「森・林・木」の話で説明するとしましょう!

森・林・木??

はい、そうです。
森・林・木の中で一番抽象度が高いものは何ですか?

抽象度って何ですか??

具体的の反対です。
例えば、どこか旅行に行きたいところはありますか?と聞かれて、
海外がいいです!という答えは抽象度が高い。
フランスのパリに行きたいです!という答えは抽象度が低い。別の言い方をすると具体性が高い。
何となくわかりましたか?

そういうことですね。
だとすると、森・林・木の中で一番抽象度が高いのは「森」です!

そうです!
抽象度が高いのが「森」で、抽象度が低いのが「木」です。
なぜこの話をしているかというと、文章も基本的には抽象度の高い部分と低い部分があります。そしてその中間ぐらいの3段階で話が構成されてます。
なので、文章を「森・林・木」のように、抽象度が高い・普通・低いの3つに分けて見ていくと、スリム化がしやすいのです!

そうなんですね。
文章を三段階に分けるって発想は今までなかったので、新鮮です!

念のため、何で3段階にわけるのか説明しますね。
文章をスリム化するということは、優先順位をつけて、いらないところから削っていくということです。
優先順位を付けるということは、何かしらランクを付ける必要があるので、判断基準を用意しなければなりません。
その判断基準として大事になるのが、抽象度の3段階です。
それでは例文を使って、抽象度を3段階に仕分けしてみましょう!
「私が学生時代に一番苦労した経験は、大学2年生の時に、サークルの合宿で長野県に行ったとき、現地で予定していた練習場が自然災害の影響で閉鎖されていたため、急遽代わりの場所を探した出来事です。・・・」
こんな文章があったとしましょう。
この文章の中で「森・林・木」はそれぞれどこでしょうか。
そして削れる部分はどこでしょうか。
結論からお伝えすると、削る対象は「林」です。
「林」を見つける方法は、文章の言葉を別の言葉に置き換えてみる!
置き換えても全体に影響を与えない文章は「林」確定です!そしてそれは削っても問題ありません。
例えば、「大学2年生の時に」という文章がありますが、これを「大学3年生の時に」と置き換えたら、全体に影響を与えますか?

ほとんど影響ないですね。
ということは、これが「林」ですか?

正解です!
他にもありますよ。
「サークルの合宿で長野県に・・・」が「新潟県」だと印象が悪くなりますか?
なりません!
「自然災害の影響で閉鎖・・・」が「管理人の都合で」だとアピール不足になりますか?
なりません!!
今出したポイントは削っても何も問題ありません。
試しに、不要なところを削った文章を読んでみてください。
「私が学生時代に一番苦労した経験は、サークルの合宿で予定していた練習場が閉鎖されていたため、急遽代わりの場所を探した出来事です。・・・」
文章が自然になるように、多少修正してますが、基本「林」を削っただけで、93文字から63文字までスリム化を図れました! (約30%カット)

文章の魅力を削らずに、文字数だけ削れるもんなんですね!すごいです!!

でも、これだけで終わってはダメです!
最後の仕上げがあります。
それは文章をスリム化した後に、全体のバランスがおかしくなってないかどうかチェックする作業です。

バランスって森と木のバランスですか?

その通りです。
森と木のバランスは非常に重要で、どれだけ読み手の記憶に残るのか勝負を分けます!
私が考える森と木の黄金比は
2:8です!(森が2で木が8)
なぜこれがベストな比率なのか説明しましょう。
抽象度が高い話は、主に”場面設定”の話なので、相手にイメージをもってもらうために必要な情報です。
ただ、抽象度の高い情報が多いと、記憶に残りにくいのです。
例えば、日本では1万人の白血病患者が闘病生活を送ってます。というニュースを見た時に、その情報でいきなり泣く人は少ないですよね。
でも、1人の白血病患者を密着取材したドキュメンタリー番組で、具体的な闘病生活を見たら、泣く人は多いのではないでしょうか。
基本的に抽象度の高い情報は感情移入しにくく、抽象度の低い情報は感情移入しやすいという法則があります。
先ほどの例だと、1万人の白血病患者は抽象度の高い情報で、1人の白血病患者は抽象度が低い情報です。
抽象度の低い情報が感情移入しやすいということは、記憶に残りやすいということです。
逆に抽象度の高い情報は感情移入しにくいので、記憶に残りにくいという性質があります。
先ほど、「抽象度の高い情報が多いと、記憶に残りにくい 」と話したのは、まさにこのことです。
面接官の記憶に残すためには、感情にアプローチできたほうが圧倒的に有利です。
なので、基本的には抽象度が低い情報をたくさん入れたいところですが、そればかりになると全体像が見えなくて、相手がそもそも理解できません。
だから森と木のバランスが重要で、2:8がベストだと思ってます。

感情移入できたほうが記憶に残りやすいって、まさにそうですね!
映画の名前は思い出せなくても、感動したシーンは記憶に残ってたりしますよね!

「林」を削ったら「森・木」のバランスを見て、問題なければ文章が一旦完成として良いわけですね!

そうです。文章を削ってスリム化した後は、必ずこの作業を忘れないようにしてください。
他に何か質問はありますか?

あっ!こないだ就活本で取り上げられてた言葉がわからなかったので、教えてほしいんですが・・・
んー、何て言葉だっけな~??
就活の大事なキーワードで、、、
去年ぐらいから流行り始めたっていう・・・

抽象度が高すぎて、全然わからないぞ・・・

全く見当がつかないですね。笑
就活本番では、抽象度が高くなりすぎないように気を付けてくださいね。。。

あぁ~!悔しい~!!
ここまで出てるのにっ!