_業界研究で注意するポイント

内容ダイジェスト】

◆業界研究は細かくチェックしすぎない!
 世の中の変化スピードが速いため、経済アナリストでも先が読めない。
 就活生がどんなに調べても「この業界なら安心」となるのは難しい。

◆自動車産業を例に解説
 電気自動車や自動運転の出現で関連企業の9割が経営危機に陥る可能性あり。
 その影響で保険業界にも大ダメージあり。

プロローグ
就活でよくある悩みや陥りがちな罠を紹介しながら、ストーリー形式で解決していく構成になってます。登場人物と自分の性格を照らし合わせて、共感できる部分はぜひ参考にしてください。

登場人物

~就活マスター~

就活のことなら何でも知ってるプロのアドバイザー。

~ヒカリ(就活生)~

社交的で楽観的な性格。直感で判断することが多く論理性に課題。

~トオル(就活生)~

冷静でクールな性格。頭で考えすぎて動けない事が多く行動力に課題。


トオル

業界研究をして、ある程度その業界について詳しくなってきたと思うのですが、もっともっと詳しくなりたいんです!
その業界が将来どのぐらい成長性があるのかとか、市場規模がどのぐらいまで伸びるのか予想しないと業界を絞り込めなくて・・・

就活マスター

なるほど。
それでは先に業界研究をするときに注意するポイントをお伝えしておきます!

それは何かというと、
「細かくチェックしすぎない」ことです!

ヒカリ

えっ?!どういうことですか?

就活マスター

業界研究は大事ですが、大枠をつかむだけで大丈夫です。
もっと言うとあまり細かいところはチェックする意味がないと思ってます。

例えば、市場規模がどのくらいあるのかという細かいお金の話とか、業界TOPがどの会社で2位がどこでみたいな順位の話とか、覚えたところでほぼ役に立ちません。

トオル

そうなんですか?
衰退する業界より成長性のある業界に入りたいと思うし、業界内でもTOPクラスの売上がある会社のほうが安心できると思ったんです。

就活マスター

確かにその気持ちもわかります。
ただそれは働く期間が3年ぐらいだったら重要だと思いますが、何十年も働くのであれば、ほぼ意味がありません。
下の図を見てください。

就活マスター

これは昭和の最後と平成の最後の時価総額ランキングTOP10です!
見てわかる通り、会社が入れ替わっているだけでなく、業界も全く違う勢力図になってるのがわかります。

何が言いたいかというと、30年もあれば業界の浮き沈みは誰にも予想できないし、昭和に比べて平成は変化のスピードが速いので、令和はもっと変化のスピードが速くなります。これは間違いないです!

トオル

なるほどー!!
確かにこれを見ると全然違いますね。
昔は銀行が「絶対安定」と言われていたようですが、今はあんまりそのイメージはないですね。

ヒカリ

こんなに違うなんて、、、
しかもさらに変化スピードが速いってことは、誰にも予想できないじゃないですか!

就活マスター

その通りです!
だから、細かい業界研究はほぼ意味がないと言ったのです。

経済の変化を先読みするプロの投資家でさえわからない未来を、就活生がわかるまで動けないってなるとそれは就活放棄を意味します。

就活はわからない中でも動いていく必要があるので、ひとつ前の章で説明した3点を抑えれば、一旦業界研究はOKとしたのはそういうことです。

ちなみに、日本で最大の市場規模を誇る「自動車産業」においても、今ものすごい変化が起きてます。
これは軽く聞き流す程度で大丈夫です。

車は所有する時代からシェアする時代に変わろうとしてます。
そして車のエネルギーはガソリンから電気に変わろうとしてます。
さらに運転は人から機械(自動運転)に変わろうとしてます。

車を所有する時代が終われば、車を買う人が少なくなり、車を作っている会社の売上は急落です。

ガソリン車から電気自動車にシフトすると車を作る部品が今の10分の1で済むようになり、関連する下請け会社は軒並み経営の危機です。

自動運転が主流になれば、本格的に車の所有が必要なくなり、車を作っている会社は倒産の危機です。
(現在90%以上の車は稼働していないと言われているため、人が車で移動するために実質必要になる車の数は1割で済む計算)

こういった業界の変化の中で、車業界で世界1位のトヨタは、車を作る会社から、「移動するサービスを提供」する会社に変わろうとしてます。

世界1位の自動車メーカーが「うちは車を作る会社じゃない」と宣言している異常事態です。
これだけ変化の激しい時代ですから、この先どの業界がどうなるのか予想は難しいのです。

トオル

すごい世界ですね!!
理解しました!細かいところを気にしすぎないように、自分が魅力に感じる業界を考えてみます!

ヒカリ

世の中の変化にびっくりです!
自動運転が自動車産業に与える影響は大きいんですね!

就活マスター

それだけじゃないですよ。
自動運転が主流になれば、事故がほぼゼロになるので、自動車保険が必要なくなります。
自動車保険は保険会社にとって利益のウェイトが大きい保険のひとつなので、保険業界に対するインパクトも大きいです。

ヒカリ

色んな業界が関わり合って成り立ってるのがわかりますね。
前の章で「関係している業界はどこなのか」を調べたほうが良いと言っていたのは、こういう意味だったんですね!

就活マスター

わかってくれて良かったです!

業界研究は必要最低限!!
深入りしないで、まず動く!!

トオル

うぅ~!
わかっているけど、気になってしまいます~!

まだ業界を絞れずにいる・・・

俺って決断力ないな・・・

就活マスター

0か100かで考えないでください!
今回の学びを10でも20でも活かしてもらえればOK!

人は急に変われないので、最初は100納得しないと動けなかったのが、80ぐらいの納得で動けるようになったら、それで良しです!

無理せず徐々に変えていきましょう!

ヒカリ

業界選びは直感よ!!!
トオルも自分の直感で動いてみなよ!!!

就活マスター

あらら・・・
極端ですね。

そして私の助言を完全無視とは・・・笑

ヒカリ

あっ、ごめんなさーい!!