_個人面接~ヒアリング重視面接~攻略法
【内容ダイジェスト】
◆面接官から見られる2つのポイント
(1)志向
⇒”未来”が企業と同じ方向を見ているか
(2)能力
⇒”過去”のエピソードに説得力があるのか
◆面接官の思考回路は4段階
(1)過去の経験から”判断”のクセを確認する
(2)"判断"のクセから志向を予想
(3)予想した志向から、こんな”未来”に共感できそうだとさらに予想
(4)予想したものと、本人の口から出た言葉が似たようなものであれば安心する
◆”未来”で学生側が注意すること
(1)企業の”未来”と重なるように自分の”未来”を話す!
(2)その”未来”とマッチする志向をアピールする!
(3)その志向が伝わるような判断のクセをアピールする!
◆”過去”で学生側が注意すること
(1)過去=説得力
⇒伝えたい未来と一貫性のある過去をアピールする!
(2)学びが大事
⇒すごい成績を上げていたかどうかより、何を学び、次にどう活かせたのかが大事!
【プロローグ】
就活でよくある悩みや陥りがちな罠を紹介しながら、ストーリー形式で解決していく構成になってます。登場人物と自分の性格を照らし合わせて、共感できる部分はぜひ参考にしてください。
【登場人物】

~就活マスター~
就活のことなら何でも知ってるプロのアドバイザー。

~ヒカリ(就活生)~
楽観的な性格。直感で判断することが多く論理性に課題。

~トオル(就活生)~
冷静でクールな性格。頭で考えすぎて動けない事が多く行動力に課題。

グループ面接が通過して、やっと個人面接まで進みました!
個人面接もパターンはいくつかあるんでしょうか?

はい!基本的にはグループ面接と同じで、
(1)ヒアリング重視面接
(2)説明重視面接
(3)圧迫面接
の3つになります。
ここでは最も多い、ヒアリング重視面接を説明していきます。
グループ面接のヒアリング重視面接と大きく違う点は、深堀りがメインになるところです。
個人面接で何を見られるのかと言うと、
主に「志向」と「能力」です。
志向は”未来”が同じ方向か、
能力は”過去”からの説得力を見ます。
要するに御社と同じ方向を向いて、将来に渡って力になりますよ!という部分と、
私は口だけじゃなく、ちゃんと実行する力がありますよ!過去を見てもらえれば納得すると思います!とアピールすれば良いわけです。

前に話していた「過去=説得力」ってやつですね!

そうです!
「志向」と「能力」は非常に大事なので、念のためもう一度説明しておきますね。
企業はビジョンを掲げて目標に向かって進んでいきます。
そのビジョンを叶えるために”仲間”がほしいのです。
ワンピースのルフィが海賊王を目指して、仲間を集めるのと一緒ですね!
では、企業が仲間選びとして大事にしている点はどこなのかと言うと、最初は「志向」です。
志向から未来が生まれるからです。
そして未来がズレると途中で辞めてしまうリスクが高くなります。
辞めずに続けてくれる人を採用したいと思うのが普通なので、未来(ビジョン)に共感している人の評価が高くなるわけです。
ただ気を付けないといけないのは、「ビジョンに共感しました」と言葉で言われること自体は評価の対象にはなりません。
なぜか?
シンプルに「誰でも言えるから」です。
企業は学生が言っている言葉そのもので評価しているわけじゃなく、「志向」から判断しています。
こういう志向の人だから、うちのビジョンに共感してそうだな!と会話の中でキャッチした情報から判断します。
例えば、楽観的な人と心配性な人がいて、
「ピンチな時にチャンスと捉えて動けるか?」の質問に、どちらも「ピンチな時ほどチャンスだと思えます!」と答えたとします。
どちらも同じ評価をしますか?

しません!
楽観的な”志向”をもってる人のほうが評価できます。

そうですよね。
心配性な人は、ピンチな時に色々リスクを考えて、すぐに動くイメージはないです。
逆に楽観的な人は、ピンチでも何とかなるでしょ!と切り替えて、すぐに動くイメージがあります。
やはり言葉そのもので判断するわけじゃなくて、その人の志向から判断しています。
ではどのように企業が、その人の”志向”を判断しているか覚えてますか?

んー?
なんだっけ?笑
ちょっと忘れちゃいました!!
もう一度お願いします!

どうやって志向を判断しているのかというと、単純に過去の経験を見ているわけではありません。
色々な経験の中から、なぜその「判断」をしたのか見ています。
例えば、ずっと部活でサッカーをやってきました。という経験から負けず嫌いという志向をアピールしたとします。
これってサッカーを経験している人は全員負けず嫌いという前提条件が入ります。でもそんなことはないはずです。
経験そのもので志向をアピールするのではなく、練習がきつくて辞める部員が多い中、続けるという「判断」をしたのは、ここで辞めたら自分に負けたことになる、そんなの絶対に嫌だと思い、必死に練習に食らいつきました。最終的にはレギュラーを獲得して・・・。みたいな内容であれば、どんな判断軸で頑張れる人なのか志向をアピールすることができます。
なので志向はあくまでも「判断」です。
なぜそういう判断をしたのか、その理由がしっかり話せると個人面接で志向をしっかりと伝えられます!
ただそもそも企業が求めている志向に合致してないと、伝わっても不合格になるので、気を付けてくださいね。

はい!気を付けます!!
そしてちゃんと覚えておきます!

面接官の思考回路をまとめるとこんな感じです。
[1]面接中に話すエピソードから”判断”のクセを確認
[2]”判断”のクセから志向を予想
[3]その志向をもってる人ならこんな”未来”に共感できそうだなと予想
[4]本人の言葉から同じような”未来”が出てきたら安心する
だから学生側は、
【1】企業の未来と重なるように自分の未来を話す!
【2】その未来とマッチする志向をアピールをする!
【3】その志向が伝わるような判断のクセをアピールする!
自分の話したい未来を話すわけではありません。
1番自信のある過去のエピソードを話すわけでもありません。
ちゃんと未来から逆算して、
どんな「志向」が好まれるか
どんな「判断」をしてると説得力があるか、
じゃあ、それに近い自分のエピソードはどれかな?と考えていく。
これが一番理想的な事前準備です。

改めて納得しました!
やっぱり過去と未来の一貫性が大事ですね。

その通りです!
企業が個人面接で確認する「志向」と「能力」のうち「志向」はちゃんと復習できましたね。
次は「能力」です。
どうやって能力を判断しているかというと、シンプルに過去です。
過去の経験からどんな実績を出したのか、これが一番わかりやすい能力アピールです。
ただし、注意すべきポイントは結果だけが全てじゃないということです。
「高い実績=能力が高い」ではなく、最も大事なのは「学び」です。
例えば、「全国大会1位の実績があります!」という人が1位になるために努力したことは何ですか?と聞かれて、「とにかく人一倍頑張りました」と回答したとしましょう。
この人が全国1位という実績から学んだことは、「人一倍頑張る」という内容です。
果たしてこの人が社会人になったとき、「人一倍頑張る」ことで必ず活躍できるようになるのでしょうか。
経験から何を学んだのか、これは非常に高い能力です!
例えば、全国1位の実績はなくても、「バイトの失敗から情報共有の重要性を学び、サークルでも活かした結果、参加率が高まりサークルを活性化することができました。」のようなものでも十分です。
学んだことが他でも活かせて、成功につながっているからです。
当然、仕事でも情報共有が重要だということはイメージできると思うので、「人一倍頑張る!」よりは明らかに評価が良いでしょう。

これだけ計算高くできると良いですね!
私は直感タイプだから、そう考えるクセがなくて・・・
でも意識すればちょっとずつ出来るようになりますよね!

そのポジティブ志向がヒカリさんの強みですね!
ぜひ意識してやってみてください。
まとめると、
個人面接では「志向」と「能力」を見ます。
志向は”未来”が同じ方向なのか確認します。
能力は”過去”から判断し説得力に影響します。
志向はその人の”判断”から予測します。
能力はその人の”学び”から予測します。
だからどんな”判断”をして、どんな結果になったのか、
その結果から、どんな”学び”があったのか、
これが自分をブランディングすることに繋がります。
そのブランディングした自分で、説得力のある”未来”を語りましょう!
では最高のブランディングは何かというと、
企業ごとに違います!
なぜなら企業ごとに描いている”未来”が違うからです!
ちゃんと企業の未来と自分の未来を重ね合わせることと、
過去のエピソードを取捨選択して、その企業にとって一番ベストな自分をブランディングしていきましょう!

ちゃんとブランディングイメージをもって自分のエピソードを取捨選択していこうと思います!
ちなみに個人面接でよく就活歴を聞かれるようなんですが、色々な業界を見ている人はどうすれば良いですか?
自分の学生時代であれば、エピソードを取捨選択して未来との一貫性を出すことは出来そうですが、就活歴は取捨選択ができないので一貫性がなくなる気がします。

確かに個人面接で就活歴を聞いてくる企業は多いです。
その目的も一貫性があるか確認するために聞いてることが多いですね。
例えば、不動産会社の選考で「御社が第一志望です!」と言ってるものの、就活歴を聞いたら、ずっと人材業界見てました。とか金融もITも見てました。だと「なんで不動産が第一志望なの?」ってなりますよね。
だから志向を確認するために過去の就活歴を聞くのです。
ここまで聞くと打つ手なしの絶望的な状況ですよね。
でもちゃんと対応策があります!

えっ?!
どうすれば良いんですか?

ひとつ軸を作りましょう!
業界がバラバラでも志向の軸を作ることは可能です。
具体的な例があったほうがイメージしやすいと思うので、説明しますね。
例えば、不動産業界、人材業界、ブライダル業界を見てきた就活生がいたとすると、一見バラバラで一貫性がないように見えます。
そこに志向の軸をひとつ入れます。
人生の大きなイベントに携われるような、人の一生に影響を与える仕事がしたいという想いがあり、色々な業界を見てきました。
という志向の軸が入るとどうでしょう?
不動産は人生で一番高い買い物と言われてます。
人材は就職や転職という人生の転機に関わります。
ブライダルは一生に一度の大きなイベントです。
「人の一生に影響を与えるような大きなイベントに関わる」という志向の軸があれば、不動産・人材・ブライダルを見てても違和感はありません。
むしろ一貫性があって納得すると思います。
このように一見バラバラでも、志向の軸がひとつ入ることで、一貫性を出すことが出来ます。

ホントだ!!!
急に一貫性が出ましたね!
志向の軸を考える時のコツはありますか?

コツは、その仕事は「どんな人or企業」を「どんな風にするのか」言語化するとイメージしやすくなります。
例えば、
金融業界(銀行)は、
「何か目標や夢がある個人や企業」
に対して、資金的に困っている状態から
「金銭の支援をして実現を手伝う」
という仕事です。
もちろん銀行のビジネスモデルはお金を貸すだけじゃないですが、
上の言語化した文章をシンプルにまとめると、
「個人や企業が夢・目標を実現するためにサポートする」
となります。
たまたま銀行は”金銭”で支援をしますが、
メーカーやITだって、遠く離れた人同士が会話をしたいという夢が実現できるように携帯電話というモノを生み出してます。
だとすると、「個人や企業が夢・目標を実現するためにサポートする」という枠には入ります。
たまたまメーカーやITは”技術”でそれを支援してるだけです。
このように「どんな人or企業」を「どんな風にするのか」を言語化すれば、共通の軸を見つけやすくなります。

なるほど!
何となくコツが掴めました!
自分でもやってみます!

これもやっていくうちに慣れると思いますよ。
ピンチをチャンスと捉えてやってみてください!
最後に個人面接の時の心構えをお伝えしておきたいと思います。
選考とはいえ、人対人のコミュニケーションが大前提です。
自分の大切な人と話す時のスタンスを忘れないでください。
だから、
作り込みすぎて本来の自分が出せないとか
相手の気持ちに配慮できず一方的になるとか
大切な人には絶対しないコミュニケーションを取らないように注意しましょう。
「選考」ではなく、「相互理解の場」として捉えておくと良いのではないかと思います。

わかりました!
大切な人と話す時の感覚を忘れないように個人面接に臨みます!

「選考」じゃなくて「相互理解」ですね。
上下の関係じゃなくて、対等な立場でコミュニケーションを取るということですよね。

そうです。
相手を上に見すぎると不必要な緊張を生み出します!
中学や高校の時に先輩と話すとちょっと緊張しましたよね。
自分が下、相手が上、という心理的な関係ができると緊張しやすくなります。
面接はただでさえ緊張するのに、他の要素も乗っかると本来のパフォーマンスが出せません。
だから意識できるところは意識して、少しでも緊張する要素を取り除けると良いですよね。

そうですね。
ただ自分は今、個人面接まで全然進んでないので、そっちの危機感のほうが強いです。
早く今のアドバイスを使えるフェーズまで進めるように頑張ります!

ファイト―!!
私はお先に経験してきまーす!

終わったらどんな感じだったか教えてくれ!

どうしよっかなー??
そんなに聞きたい??

あっ!面接だけじゃなくて就活生同士も対等な関係だぞ!

わかってるよ!
ちゃんと伝えるね!