_GD~ディベート型~攻略法
【内容ダイジェスト】
◆ディベート型は2グループに分かれて討論する形式
ポイントは視点の切り替え!
⇒その立場の人にとって”理想的な状態”をイメージする。
◆ディベートで大事な3大要素
(1)合意形成
⇒みんなで1つ1つ合意しながら進めるチームが強い!
(2)ロジック
⇒根拠にストーリーを付けて伝える!
(3)交渉力
⇒相手に納得してもらいやすいように例え話を使う!
◆ストーリーを作るコツ
[1]共感を得る
[2]課題を顕在化する
[3]解決する
この順番でストーリーを組み立てる!
【プロローグ】
就活でよくある悩みや陥りがちな罠を紹介しながら、ストーリー形式で解決していく構成になってます。登場人物と自分の性格を照らし合わせて、共感できる部分はぜひ参考にしてください。
【登場人物】

~就活マスター~
就活のことなら何でも知ってるプロのアドバイザー。

~ヒカリ(就活生)~
楽観的な性格。直感で判断することが多く論理性に課題。

~トオル(就活生)~
冷静でクールな性格。頭で考えすぎて動けない事が多く行動力に課題。

自由討論型・問題解決型と説明してきましたが、最後は『ディベート型』です!
ここまで大丈夫でしたか?

はい!
今のところ大丈夫です。

何とかギリギリOKです。。。
続きをお願いします!

ディベート型の特徴は2グループに分かれて討論していく形式で、自分がどちらの立場で討論するか決められる場合と、決められない場合があります。
グループは「賛成派・反対派」や「あり・なし」や「A・B」など色々なパターンがあり、複数グループに分かれることもあります。
具体的なテーマ例は次の通りです。
◆消費税増税は賛成か反対か
◆就職活動の内定辞退は有りか無しか
◆仕事は質か量か
◆大学のレポート提出は意味があるかないか
◆救急車の有料化に賛成か反対か
ここでのポイントは視点の切り替えです。
立場が変われば正義が変わります!
例えば、レストランに行ってものすごく混んでたら、ちょっと嫌ですよね。
空いているほうが、オーダーしたものがすぐ食べられるし、周りもガヤガヤしてないし、落ち着いて食べられます。
じゃあ、視点を変えてレストランのオーナーだったらどうでしょうか。
空いている店内を見たら、ヤバイ!と思うはずです。
逆に混んでいたら、ホッとする。
こんな感覚を持つことは想像しやすいと思います。
このように立場が変わると、同じ状況でも違う感情が出てきます。
それは”理想的な状態”が変わるからです!
なので視点を切り替えるポイントは、その立場の人にとって、”理想的な状態”をとことんイメージすることです。

確かに立場が変わると、正義が変わるって何かわかる気がします。
グループディスカッションで自分の立場が決められない場合は、その立場の人になり切るしかないですもんね。

私妄想は得意だからディベート型はイケるかも♪
”理想的な状態”を妄想すれば良いんですよね?!

はい、自分の与えられた役割の立場から”理想的な状態”がイメージできれば、問題ないです!
そしてここから具体的なポイントを解説していきます。
(1)合意形成
(2)ロジック
(3)交渉力
この3つがディベート型のポイントです。
(1)の合意形成は、同じ立場のメンバーとちゃんと合意形成が取れた状態で進めらえているかという事です。
同じ立場のメンバーは仲間です。
討論の中でもお互いにサポートし合う役割があるため、合意形成がうまくできずに進んでしまうと、メンバーの主張にフォローができず、空中分解してしまいます。
みんなの納得感によって、討論の説得力にも影響が出るということです!

発言力のある人がガンガン進めていくんじゃなくて、ひとつひとつ「ここは、これで良いかな」とメンバーの合意を得ながら、進めていくイメージですね。

その通りです。
「この結論は違和感あるな」と思っていた項目に対して、討論中に突っ込みを受けると、「確かにこれは、そちら側の言う通りです」と負けを認めるメンバーが増えて戦えません。
1人でも多くの合意があれば、突っ込みに対して、反論できるメンバーが増えます。
そうすることでちゃんと討論で戦えるチームになるのです!

そうですね!みんなの合意がうまく取れてれば、色んな反論ができるイメージが湧きます!
しかも一体感があると空気感でも勝てますよね。

そうです。
意外と空気感は説得力にも繋がっています!
そして、2つ目のポイントにあげた”ロジック”は、さらに説得力を高めるために必要です。
ひとつ前の問題解決型のテーマに出てきた”根拠”と似たようなイメージですが、微妙に違います!
”根拠”はデータや資料そのものです。
”ロジック”は根拠となるデータにストーリーが加わったものです。
ストーリーとは何かというと、
伝える順番や話の強弱、オチなど相手の感情を揺さぶる方法です。
ドラマや映画、マンガでも色々なストーリーが描かれてます。
当然書きたい順番にストーリーを書いてるわけじゃなく、これを言うと、あれをイメージするだろうから、その次にこのセリフ!みたいに計算してストーリーを作ってます。
例えば、「ありがとう」とただ伝えるだけじゃ、印象が薄いなと思ったら、
「余計なお世話だよ、ばーか」
「でも、ありがとう」
という流れにすると、ちょっと引き離して、近づく!みたいなストーリーができます。
そうすることで、印象に残る「ありがとう」ができるわけです。
話を戻すと、説得力のあるロジックは”根拠”と”ストーリー”がセットになってます!
討論でも根拠をただ伝えるだけじゃなく、ストーリーにして伝えると、説得力が出てチームを有利な立場にもっていける可能性があります!

なるほど!ストーリーですね!
私ロジカルさが足りないと思っているんですが、ストーリーを加えるとちょっとロジカルっぽく見えるもんですかね?

急にロジカルになることは難しいですが、ストーリーを入れると説得力は出ますよ。
じゃあちょっとヒカリさん練習してみましょう。
テーマは「残業代に関して」にします。
残業した分を全部出す方が良い!という「全額支給派」の人たちに対して
ヒカリさんは、見込み残業代の仕組みにした方が良い!という「見込み残業代派」のチームとして意見を出すとしましょう。

わかりました!
見込み残業代って、固定で残業代が決まってて、それ以上はもらえない仕組みですよね。

そうです。
では最初にヒカリさんが使える”根拠”だけ教えますね。
「見込み残業代にすると、無駄に残業する人が減るから、仕事の効率が上がる」
これを”根拠”にストーリーを加えていきましょう!
ちなみにトオルさんはこの”根拠”だけ言われたら説得力あると思いますか?

いや、残業代は全部出さないとモチベーションが上がらないと思っちゃいます。

、、、だそうですよ!
ヒカリさんどうしますか?

んー・・・・
全然思い浮かばない。
ヒントください!!

[2]課題を顕在化する
[3]解決する
この順番で考えてみてください。
まず共感を得るところは、テーマに対して「あるあるネタ」を考えてみてください。

なるほど・・・
テーマが残業だから、学生が共感できる近い感覚は、
バイトかなぁ~??
そこで無駄に残業する人につながるイメージは、、、
仕事が遅いバイトメンバーが近いかな?
そうすると、
「アルバイトでやたら仕事が遅い人っていますよね」
こんな感じですか?

そうです!そうです!!
イイ感じですよ!!
じゃあ、次に課題を顕在化する!
「確かにそれって課題だよね」と今見えてない問題点にライトを当てるイメージです。

仕事が遅い人は、仕事が早い人に比べて、終わる時間が遅い。
ということは、もし時給が同じだとすると、仕事が遅い人が多く給与をもらって、仕事が早い人が少ない給与をもらう。
あっ!これって理不尽だ!!
課題を顕在化させるために、
「仕事がデキる人より、仕事がデキない人に多く給与が支払われる仕組みが残業代全額支給ですよ?」
こんな感じですか?

素晴らしい!!
では、最後に解決案を提示してフィニッシュです。

解決策は一発で言えそうな気がします!!
「見込み残業代を導入することで、仕事がデキる人は見込んでいる残業時間より少ない残業で終わる。だから実際の残業時間より多く残業代をもらえる。
仕事が遅い人は、見込んでいる残業時間より多く残業をするため、損していると感じ、仕事の効率化を図るために努力する。
全社員がそういった意識で仕事に取り組むことで、会社全体の効率が上がる。
だから見込み残業代の制度に賛成します!」
こんな感じでどうでしょう?

完璧です!
いきなりこんな出来ると思いませんでした。
トオルさん、今回の意見ならどうですか?

すごい説得力がありました!
確かにアルバイトで必ず一人は仕事が遅い人っているので、その人をイメージしながら、
あの人より自分の給与が少ないと思ったら、急に不公平感を感じました。
そこに不公平を解消できる提案が来たので、正直納得しちゃいました。

やったー♪
流れに当てはめると、案外誰でもできるかも!

そうなんです!
[1]共感を得る
[2]課題を顕在化する
[3]解決する
の流れは非常に便利で、営業でもよく使われる手法です。
最も代表的なのがテレビの通販ですかね。
思い出してみてください。
友達を家に呼んで食事をしているシーンが出てきます。
そして赤ワインやトマトソースなどを洋服にこぼすシーンになり、
「これやっちゃうよね!白い服着てる時に限って、何かこぼすんだよね」
と、あるあるネタから入ります。
次に、汚れた洋服を洗濯機で洗っても全然落ちないシーンが出てくる。
「あぁ~、確かにこの汚れって落ちないよね」
と、課題を顕在化します。
いきなり洗剤のPRをしても欲しくなりません。
でも、このシーンを見せることで、急に課題を感じてしまいます!
そこで、●●を使うと、こんなキレイになるというシーンが出てくる。
「私の課題を解決してくれる商品が出てきた!」
と、思って商品を買ってしまうわけです。
でもよく考えてみてください。
白い洋服が取り返しつかないぐらい汚れてしまう経験は、人生の中でどれぐらいありますか?
片手で数えるぐらいしかないはずです。
でもストーリーが説得力を出すので、すごく身近な課題に感じさせて、人の心を動かすことができるのです。

確かに思い返すと、通販は全部その流れですね!
ストーリーはやっぱり強いんですね!

これでロジカルに説明するコツが理解できたと思います。
あとは実戦で色々試してみることです!
最後に、ディベート型のポイントの3つ目が、
交渉力でしたね!
ここからは交渉力に関して説明していきます。

交渉力ある人って何かカッコいいですよね!

そうですね。
交渉力も就活だけじゃなくて、ビジネスでも使えるスキルなので、ぜひ身に付けてください!
まず交渉力とは、こちらの言い分を相手に納得してもらう能力です。
「言い負かす」とか「ねじ伏せる」みたいなイメージではないので、気を付けてくださいね。
では、人が納得するのはどんな時でしょうか。
それは”自分で答えを出した時”です。
人から押し付けられた答えは気持ち良くないですよね。
例えそれが正しかったとしても、人から言われるのと
自分で答えを導き出すのとでは、納得感が全然違います!
それではどうやって、ディベートの時に相手が、”自分で答えを出した”ように思うのでしょうか。
ひとつの方法が「例え話」です。

例え話ですか?
それってよくマスターも使ってるやつですよね。

そうです。
私の場合は理解してもらいやすいように例え話を使ってますが、交渉力を上げる時にも使える手法です。
テーマが「仕事は質が大事か、量が大事か」だとします。
そこでトオルさんは量が大事派だったとしましょう。
例えば、「たくさん量をやったほうが早く仕事を覚えられるし、競合他社より多くお客様に提案できれば、選ばれる可能性が高いと思います」
とストレートに伝えると、何だかその人の価値観を押し付けられてる気がします。
そうではなくて、
「みなさんが赤ちゃんの時にハイハイから立って歩けるようになるまで、どうやって上達しましたか?
まだ何もしゃべれない時にどうやって上達しましたか?
恐らくまだ何もできない最初のうちは、とにかく何度も立ち上がって上達しようと頑張ったと思います。
言葉はわからないけど、とにかくしゃべろうと、たくさん口を動かしたと思います。
学生から社会人になった時は、まだ何も経済活動ができない初心者です。
それは赤ちゃんと同じです。
そんな我々が早く成長するためには、質と量のどちらが優先されるべきだと思いますか」
みたいに赤ちゃんの成長と新卒1年目の成長を重ね合わせた例え話で伝えてみる。
そうすると、赤ちゃんの時は量をこなすことで成長した。という事に共感する人が現れ、「量が大事」と言わなくても、
最初の成長は”量”が大事だな、と自分の中で答えを出す人がある一定数います。
これが”自分で答えを出した時”です。
こっちの主張を押し付けるのではなく、相手に答えを出してもらう。
そのために例え話で、テーマとは違うところで答えを出してもらい、それってこのテーマでいうと、●●ですよね。と重ね合わせることで、相手の納得感が出やすくなります。

なるほど!
例え話でワンクッション置くことで、テーマの主張を直接アピールしてる感じが弱くなるんですね。
でも結局は自分の主張している結論に導けるから、押し付けてる感じもしなくなるんだ!

その通りです。
例え話をうまく使うとビジネスシーンでも交渉力をUPすることができます。
ただ、いきなりうまい例え話が作れるようになるわけじゃないので、これも普段の会話から意識して訓練することで、グループディスカッションの場でも使える武器になります。

たくさん訓練するしかないですね!
じゃあ早速マスターに交渉してみよう!
「マスターは人を悲しませることが嫌いですよね?
私はお昼にプリンが食べられなくて悲しい気持ちです。
だからプリンを買ってくれると私は笑顔になれます!」
どうですか?

例え話で交渉というより、誘導尋問で泣き落としですね。笑
イチから出直しです!!

「プリン買え」感が全面に出すぎてて、押し付けがすごいぞ!笑

やっぱりか~!!
ちゃんと練習しよう。。。