_GD~問題解決型~攻略法

内容ダイジェスト】

◆設定された課題に対して、解決策を提示する必要がある
 ⇒テーマとしては社会問題など実際に問題となっているリアルな課題が多い

◆進め方の手順
 1.役割分担を決める
 2.課題把握(チームで合意する)
 3.解決策を出す(根拠もセット)
 4.解決策の整理(実現可能性を判断軸にする)
 5.発表準備

◆重視すべき3つのポイント
 (1)課題把握
 (2)実現可能性
 (3)根拠

プロローグ
就活でよくある悩みや陥りがちな罠を紹介しながら、ストーリー形式で解決していく構成になってます。登場人物と自分の性格を照らし合わせて、共感できる部分はぜひ参考にしてください。

登場人物

~就活マスター~

就活のことなら何でも知ってるプロのアドバイザー。

~ヒカリ(就活生)~

楽観的な性格。直感で判断することが多く論理性に課題。

~トオル(就活生)~

冷静でクールな性格。頭で考えすぎて動けない事が多く行動力に課題。


就活マスター

それでは自由討論型の次は『問題解決型』のアドバイスに移ります。
準備は良いですか?

ヒカリ

はい!
お願いします!

トオル

もちろん!
準備万端です!

就活マスター

問題解決型は設定された課題に対して、解決策を提示する必要があります。
テーマとしては、「社会問題」、「企業個社ごとの問題」「時事」など、実際に問題となっている”リアル”な課題が多いです。

そのため、関連するデータなど参考資料が当日用意されていたり、事前にテーマを知らせて予備知識を付けてきてもらう、など工夫をしている場合もあります。

具体的には次のようなテーマがあります。
◆当社の製品はどんなプロモーションが最も効果的か
◆2年後に利益を2倍にするためには何をすれば良いと思いますか
◆当社の新規事業を考えてください
◆働き方改革をするための具体的な方法を提案してください
◆コロナウィルスを収束させるための方法を提案してください
◆競合他社と差別化を図る方法を考えてください

などが具体的な例です。
かなり”リアル”なテーマが多いことが分かると思います。

トオル

確かにテーマが実際の課題とリンクしてて、リアリティがありますね。

就活マスター

そうなんです。
ちなみに全体の進め方は以下のような手順です。
ーーーーーーーーーーーー
1.役割分担を決める
(進行役・タイムキーパー・書記など)

2.課題把握
(チームで合意する)

3.解決策を出す
(根拠もセットで提案)

4.解決策の整理
(実現可能性を判断軸にする)

5.発表準備
ーーーーーーーーーーーー

問題解決型のテーマで重要なポイントは次の3つです。
(1)課題把握
(2)実現可能性
(3)根拠

(1)の課題把握は、与えられた情報から正確に課題を捉えているのか見ています。
例えば、「2年後に利益を2倍にする」というテーマだとすると、次のことに着目できているかがポイントです。

利益は”売上”を増やすか、”コスト”を減らすかでコントロールすることができる。

では利益を2倍にするために、”売上”が課題なのか、”コスト”が課題なのか、ここが見えると、正確に課題を捉えている状態だと言えます。

最初の課題把握がズレると、その後の解決策もズレます!
なので、ここはメンバーと一緒に目線を合わせて課題把握していくことが求められます。

ヒカリ

なんかすごい難しいですね。。。

課題把握が上手になるための、コツやトレーニング方法はありますか?

就活マスター

「枠組みを考える」というクセが付くと簡単に課題が把握できます。
これは社会人になっても活用できるので、ぜひオススメです!

”枠組み”は何かというと、物事を構成している要素です。

まだよく分からないですよね。
具体的な例で説明しましょう。

例えば、ダイエットの枠組みは何でしょうか?
つまりダイエットを構成している要素は何でしょうか?

体重を減らすには、”IN”を減らすか、”OUT”を増やすか、どっちかですよね。
ということは、ダイエットの枠組みは、
【1】摂取カロリーを減らす
【2】消費カロリーを増やす
の構成要素から成り立ってます。

だから太った原因が運動不足であれば、”OUT”を増やす!
いわゆる消費カロリーを増やすことが思い浮かびます。

でも運動してても太るのであれば、”IN”を減らす!
つまり摂取カロリーを減らすことを思い浮かべるわけです。

こうやって、日々の生活の中から、枠組みを考えるクセが付くと、課題把握がうまくなる脳が出来上がります!

ヒカリ

なるほど!
私はとりあえずダイエットを食事制限から始めることが多かったけど、”IN”と”OUT”のどっちに課題があるか把握してからダイエットしたほうが成功する可能性が高いんですね。

枠組みも何となくイメージ湧きました!
普段からちょっと考えるクセを付けようと思います。

就活マスター

ぜひぜひ!
やればやった分だけ能力は上がります!

次に重要なポイントであげた(2)実現可能性について説明します。
問題解決型のテーマは、”リアル”な課題という特徴がありましたよね。
課題がリアルという事は、解決策もリアルである必要があります!

つまりそれが”実現可能性”です。

例えば、「2年後に利益を2倍にする」というテーマで”コスト”が課題だったとします。
その解決策が人件費を半分にするために、社員の半分をリストラします!
とか
全社員の給与を半分にします!
など、解決策にはなっているけど、現実的ではありません。
このような提案をしても、実現可能性が低いので、答えとしてはダメです。

なので、アイデア出しのタイミングでは、否定せずに色々なパターンの解決策が集まっても良いですが、まとめの段階では実現可能性が最も大事な判断基準になるので、しっかりメンバーと吟味する必要があります。

そこで注意点としては、曖昧な情報や表現で結論付けないことです。
例えば、解決策に「AI技術を使って・・・」など意味や技術を正しく理解していないワードを使うと、突っ込まれた質問に答えられません。

ちゃんと理解している知識や情報で勝負することも重要なポイントです。

トオル

就活で勉強した知識って、つい使いたくなっちゃうから、理解不足でも話したくなる気持ちはすごい分かります!

でも安易に使うと痛い目を見るって話しですね・・・

就活マスター

そうですね!
中途半端な知識なら出さないほうが良いです。
逆に言うと、知識が中途半端にならないように、事前にちゃんと調べることも大事な準備です。

では最後に重要なポイントであげた(3)根拠に関して説明します。
根拠とは、
これを課題と捉えました!という根拠であったり、
これが最良の解決策です!という根拠のことです。

ディズニーランド・シーを例に説明しましょう。
テーマが「売上をさらに伸ばす最良の方法を考えてください」だとします。

まず課題を出しましょう。
そのために売上の構成要素を出します。

売上=客数×客単価

だから、
【1】客数を増やす
【2】客単価を上げる
この2つが売上をUPさせる要素です。

まず客数を増やすためには「新規顧客」か「既存顧客」のどちらかを増やすしかありません。
結論、「既存顧客」に課題設定をして、リピートを増やす解決策が良いと考えます。

その”根拠”となるデータが、これです。

【過去6年間来場者数が毎年3千万人超え】

どういう事かというと、1年間で日本の人口の約4分の1が来園します。
計算上は4年間で日本人が全員1回はディズニーランド・シーを訪れることになります。
つまり新規顧客を獲得する余地がほぼないと言えます。
これが「客数を増やす」ために「既存顧客」(リピート)に目を付けた根拠です。

次に「客単価を上げる」ために何をするかです。
ディズニーランド・シーの売上は「入場料」「飲食代」「お土産代」の3つで構成されてます。

では、どこに課題があるのでしょうか。
結論、「飲食代」と「お土産代」に課題設定をして、解決策を考えます。

その”根拠”となるデータが、これです。

【入場料:116%】
【飲食代:102%】
【お土産代:98%】
6年前の売上と比較したときの成長率です。

入場料は定期的に値上げをしているので、売上がUPしてます。
ただ飲食代とお土産代は横ばいです。
課題設定した根拠としては十分な情報でしょう。

ここまでまとめると、
売上を伸ばすための課題は、「リピート」と「飲食代」と「お土産代」です。

では、具体的にどんな解決策を出せば良いのでしょうか。

一般的にリピート率は、”顧客満足度”と連動してます。
飲食する時とお土産を買う時の条件は、”列に並んでない事”です。

当然、アトラクションの列に並んでいる時は、食べ物を買えないし、お土産も買えないですよね。

ということは、列に並ぶ時間を減らして、顧客満足度を上げれば、課題を一気に解決できます。

その解決策として生まれたサービスが、スマホアプリでファストパスが取れる仕組みです!
※ファストパスとは、行列に並ばず、優先的にアトラクションに乗れるチケットです。

この解決策を選んだ”根拠”は、
並ぶ時間が減るので当然、顧客満足度が上がります!
そして、並ぶ時間が減るということは、別の何かを楽しめる時間が増えるということです。

乗り物の時間を増やす人もいると思いますが、食べ物やお土産など園内でお金を使う機会が増える人も絶対います。
すると間違いなく、客単価はUPするでしょう。

こうやって課題を把握して、根拠を出して、解決策を提案する流れが問題解決型のテーマでは大事になります!

そして何より「スマホアプリでファストパスが取れる」というアイデアは”実現可能性”があります。

このサービスはグループディスカッションから生まれたサービスではなく、従業員が必死に考えて作り出したアイデアですが、グループディスカッションでも学生の柔軟なアイデアに期待している企業はいると思います。

問題解決型のテーマが出たら、ぜひ「課題把握」「実現可能性」「根拠」の3つを意識して、取り組んでみてください。

トオル

課題や解決策も必ず根拠をセットで考えることが大事なんですね!
実例もあってすごい参考になりました!

ヒカリ

ディズニーランドのファストパスがスマホで取れるってニュース見たときは、「ラッキ~♪」としか思ってなかったけど、こうやって考えると、ちゃんと理由と狙いがあるんですね!

就活マスター

そうです。
世の中のサービスには必ず理由と狙いがあります!

色々ある便利なサービスも、そういった視点で見ると、いつもと違った見方ができるかもしれないですね。

ヒカリ

そうですね!
せっかく就活で社会とつながる機会が増えるので、色んな視点で見れるように頑張ります!

トオル

そうだね!
ただサービスを受けるだけじゃなくて、提供してる側の視点に立ってみるのも、面白いかもね!

ヒカリ

さっき、楽天がやってる「みん就(みんなの就職活動日記)」の提供してる側の視点に立って考えてみたの!

そしたら、日記を読むのがすごい好きな人が作ったサービスなんだな~と思って、共感しちゃったわけよ!
ほら、私も日記好きでしょ!

トオル

いやいや、日記好きが趣味で始めたサービスじゃねーだろ!笑

就活マスター

あれは個人情報を集めて、企業に売るサービスですよ。
学生の個人情報を欲してる企業は意外に多いですからね。

学生にとって魅力的なサービスを無料で提供する代わりに、個人情報ちょうだいね。っていうちゃんとした理由と狙いがあります。

ヒカリ

あっ!そうなんですね・・・笑

まだまだ修行が足りなかったです・・・