_企業が見るポイント(ES)

内容ダイジェスト】

◆過去に対する質問の種類
 (1)「何を手に入れたか確認」する質問
  ⇒吸収力や成長力を見ている
 (2)「どんな経験をしたか確認」する質問
  ⇒行動力や行動特性を見ている
 (3)「目的や理由を確認」する質問
  ⇒価値観や志向を見ている

◆未来に対する質問の種類
 (1)「目標や夢を確認」する質問
  ⇒目的地が一緒なのか見ている
 (2)「選択理由を確認」する質問
  ⇒企業文化に合うか見ている

プロローグ
就活でよくある悩みや陥りがちな罠を紹介しながら、ストーリー形式で解決していく構成になってます。登場人物と自分の性格を照らし合わせて、共感できる部分はぜひ参考にしてください。

登場人物

~就活マスター~

就活のことなら何でも知ってるプロのアドバイザー。

~ヒカリ(就活生)~

楽観的な性格。直感で判断することが多く論理性に課題。

~トオル(就活生)~

冷静でクールな性格。頭で考えすぎて動けない事が多く行動力に課題。


ヒカリ

エントリーシートの書き方のコツはわかったのですが、企業はどのように評価してるのでしょうか?

トオル

具体的にどんな回答が、どんな評価をされるのか、聞きたいです!

就活マスター

企業側の評価方法ですね。
それじゃあ代表的なものに絞ってお伝えしましょう。

エントリーシートの質問は必ず、
”過去に対する質問”と
”未来に対する質問”に分かれます。

まず過去に対する質問は次の3つが代表的なものです。
(1)「何を手に入れたか確認」する質問
(2)「どんな経験をしたか確認」する質問
(3)「目的や理由を確認」する質問

そして未来に対する質問は次の2つが代表的なものです。
[1]「目標や夢を確認」する質問
[2]「選択理由を確認」する質問

それぞれ簡単に解説していきますね。

ヒカリ

はい!よろしくお願いします。

就活マスター

(1)の「何を手に入れたか確認」する質問は、例えば
『過去の挫折経験とそこから何を学んだのか教えてください』
とか
『今までで一番の成功体験を教えてください』
など、成果物を聞くような質問です。

ここで企業が見ているのは、
”吸収力”や”成長力”です。

新卒はポテンシャル採用なので、現時点の能力の高さよりも、今後の伸びしろがある人材を採用しようとします。
だから、吸収力のある人材なのか、成長力がある人材なのか、エントリーシートで確認したいのです。

企業によって判断軸は違うと思いますが、”吸収力”や”成長力”をアピールするための、必須アイテムは「比較材料」です!

TOEIC850点取れた!という結果だけじゃなくて
大学1年の時は500点だったけど、3年生で850点取れた!というアピール方法です。

結果をどんなにアピールしても、元々どんな状態だったのかわからなければ、”吸収力”や”成長力”は把握できません。

過去の自分と比較できる情報を入れてアピールすることがポイントになります。

トオル

自己PRの極意」で習ったアレですね!
覚えてますよ!

女子が写真を撮る時に、自分が一番痩せてるように見せるために、遠近法を使って一番遠いポジションを取る作戦と一緒ですよね!笑
比較材料をうまく使えると強力だと思います!

自分も何度も騙されたことあります。。。笑

ヒカリ

あっ!やっぱり男子も写真見て、その作戦気付くんだ!笑

成果を聞く質問はどうしても、成果物をアピールしたくなるので、比較材料を忘れてしまいそうですが、むしろそっちのほうが重要ですね。

”吸収力”と”成長力”を見られてるという認識を持って、回答に気を付けようと思います!

就活マスター

では次に、「どんな経験をしたか確認」する質問です。
例えば、
『学生時代に力を注いだことを教えてください』
とか
『あなたにとって一番の挑戦は何ですか』
など、具体的な行動を聞くような質問です。

ここで企業が見ているのは、
”行動力”や”行動特性”です。

新卒は社会人になると、わからないことの連続です。
そんな時どんな行動を取るのか、学生時代のクセからある程度予想しようとします。
だから、どれだけ行動力があるのか、どんな行動特性があるのか、エントリーシートで確認したいのです。

企業によって、どんな行動特性が高評価なのか違いはありますが、”行動力”や”行動特性”をアピールするための、必須アイテムは「山と谷」です!

ストーリーの前半に、苦労した場面や失敗した場面を入れるようにします。
いわゆるこれが谷の話です。
そこからどんな行動を起こして、どんな結果が生まれたのか書くようにします。
いわゆるこれが山の話です。

どんなストーリーでもピンチがない話は面白くないし、何より企業はピンチを乗り越える”強さ”を知りたいのです!

だから、山と谷があるストーリーを書くことで、”行動力”や”行動特性”が伝わりやすくなります。

ヒカリ

あっ!これも「差別化を図るポイント」で習ったやつですね!
覚えてます!!

ヒーローがピンチにならないアクション映画はつまらないし、ヒロインが一度も失恋しない恋愛ドラマは面白くないって話ですよね。

ここでも活かせるんですね!

トオル

あと、新卒は3年以内に辞めてしまう人が平均30%いるから、行動特性を見て失敗や苦労を乗り越えられる人材なのか、そんなところも見てるって言ってましたよね。

就活マスター

その通りです!
単純な話、壁にぶつかった時に「逃げがちなタイプ」と「立ち向かうタイプ」だったら、後者を採用するし、
さらに「壁は高いほうが燃えるタイプ」がいたら、そっちを採用したいと思います。

だから、「山と谷」の話は、より深い谷を乗り越えて山を登ったエピソードが理想ですね。


では次に「目的や理由を確認」する質問 です。
例えば、
『意思決定をする際に気を付けていることはありますか』
とか
『成功体験から、なぜそれが成功したのか理由を教えてください』
など、その人の考え方を聞くような質問です。

ここで企業が見ているのは、
”価値観”や”志向”です。

基本的に発言や行動は”価値観”に左右されます。

最初に話した”吸収力”や”成長力”は何に影響を受けるのかというと、
”行動力”や”行動特性”です。

じゃあ”行動力”や”行動特性”は何に影響を受けるのかというと、
”価値観”や”志向”です。

だから、どんな価値観をもっている人材なのか、どんな志向をもっている人材なのか、エントリーシートで確認したいのです。

企業によって、どんな価値観を好むのか違いはありますが、”価値観”や”志向”をアピールするための、必須アイテムは「第三者効果」です。

価値観は自分で宣言するしかないですが、「私は自分の利益より他人の利益を優先します」って自分言ってる人は、イマイチ信用できないですよね。

でも第三者、つまり友人が「あの人は自分の利益より他人の利益を優先する人だ」って言っていれば、信用度は高いですよね。

つまり第三者が言ってることのほうが、信頼できるという人間心理のことを第三者効果と言います。

就活では自分のことを褒めてくれる人がいないので、ストーリーの中に第三者を登場させて、「バイト先の店長からも●●だと言われて・・・」みたいな組み立てにすることで、第三者効果を使えます!

だから、第三者効果をうまく使ってストーリーを作れば、”価値観”や”志向”が信用しやすいレベルで伝えることができます。

トオル

これも「アピール効果の高い文章とは」って話で出ましたよね!
全部繋がってるんですね!

ヒカリ

確かに第三者効果も使ってる人と使ってない人で差が出るって言ってましたね。
価値観は目に見えないし、自分の言葉だけだと、どうしても説得力に欠けるから、第三者効果は力を発揮しそうですね!

就活マスター

ここまでが過去に対する質問です。

ここから未来に対する質問に入ります。
[1]の「目標や夢を確認」する質問は、例えば
『入社後にやりたいことは何ですか』
とか
『将来のキャリアビジョンを教えてください』
など、未来の方向性を聞くような質問です。

ここで企業が見ているのは、
”目的地が一緒なのか”です。

企業を船に例えると、船長が目指している目的地と、そこに到達するための航路をクルー(乗組員)がどれだけ共感してくれるのか、どれだけ戦力になってくれるのか、それが大事です。

船長が目指している目的地に魅力を感じていないクルーばっかりの船は、そこにたどり着けずに沈没してしまうでしょう。

また使えるリソースも限られているため、空を飛びたいというクルーを乗せたら、その想いは叶えられないので、モチベーションの低いクルーばっかりになってしまうでしょう。

だから、未来の方向性を確認して、向かってる方向は同じなのか、やりたいことはうちの会社で出来るのか、をエントリーシートで確認したいのです。

ここでは自分のやりたい事と、企業のビジョンを重ね合わせてストーリーを作っていくことがポイントになります。

ヒカリ

単純に視点が高かったり、大きなビジョンを語れば良いというわけじゃないんですね。
ちゃんと企業の方向性を意識しないとダメなんだ。

トオル

船の一員である以上、目的地をちゃんと理解して、それに自分がどうやって貢献できるのかイメージをわかせることが大事だと改めて思いました。

就活マスター

そうですね。
新卒がいきなり大きな船の目的地を変えるような提案は難易度が高いので、まずはその航路を進むために、いかに自分が活躍できるかをアピールするほうが得策です。

では最後に「選択理由を確認」する質問です。
例えば、
『同業他社ではなく、当社を選ぶ理由を教えてください』
とか
『就職において重視している点は何ですか』
など、意思決定のプロセスを聞くような質問です。

ここで企業が見ているのは、
”企業文化に合うか”です。

企業にはそれぞれ独自のカルチャーがあります。
チャレンジを優先するカルチャーや堅実な選択を優先するカルチャーなど様々です。

ただし、チャレンジ精神旺盛な人材が全て「チャレンジを優先するカルチャー」の会社に合うかというと、そうでもありません。

そこにはチャレンジが好きという結論にたどり着くまでのプロセスが大事だったりします。

例えば、好きなタイプは?と聞かれて
「優しい人がタイプです」と答えた人がいるとします。

でもこの”優しい人”にも色々いるわけです。
彼女の言うことを何でも聞いてあげる人を”優しい人”とする人もいれば、
困ったときに支えてくれる人を”優しい人”とする人もいます。

それを見極める方法は簡単です。
”優しい人”と感じる時のプロセスを聞くのです。

「どんな事をされた時に”優しい人”だと感じましたか」と聞けば、具体的に●●な行動という返答がきます。

これがその人の”優しい人”だと結論付けたプロセスになるわけです。
企業側も同様にチャレンジを優先するカルチャーが好きという結論にたどり着くまでのプロセスを確認する必要があります。

だから、意思決定のプロセスを確認するような質問をして、企業文化に合うかどうかを、エントリーシートで確認したいのです。

未来に対する質問で、選択理由を確認するものは、具体例を使ってアピールすると伝わりやすいです。

チャレンジ精神であれば、
「自分が思う”チャレンジ”とは、追い込まれた時に出るものではなくて、常に自分から仕掛ける先手のアクションです。御社のチャレンジも業界で競合優位性を確保しながら、先手を打つチャレンジだと感じてます」みたいな内容にすると、自分の意思決定プロセスと、企業文化を重ね合わせることができます。

トオル

なるほどー!
結論だけ合わせても、その途中の過程(プロセス)でズレたら効果半減ですもんね。
細かいところですが、注意してエントリーシートを書いてみます!

就活マスター

エントリーシートでは、あくまでも最低ラインを確認する要素が強いので、厳密に細かい部分まで確認する企業と、しない企業があります。

でも面接まで進んだらどっちにしろ聞かれるので、エントリーシート作成の時からそこまで作り込めていると強いですよね。

ヒカリ

エントリーシートはたくさん出す予定なので、全部作り込めるかわからないですが、出来る範囲で頑張ってみます!

就活マスター

そうですね。
時間に限りがあるので、自身のエントリー数と、就活に割ける時間と、バランス取りながら、どれぐらい力を入れるのか調整してください。

トオル

ちなみにヒカリはどれぐらいエントリーシート出す予定なの?

ヒカリ

30社だよ!!!

説明を聞くところ全部良く感じてしまって・・・笑

合同説明会で話聞いたところは、「ぜひエントリーお待ちしてます!」とか言われちゃうから、じゃあ出そうかな?とか思っちゃうわけよ!

トオル

えぇー!!!
多すぎだろ!!

俺はまだ2社しか決まってなくて、逆に焦ってるけど・・・

就活マスター

30社はさすがに多いですね!

まぁいくつエントリーしても自由ですが、3つのグループに分けて考えてみたらどうですか?
優先順位1位のグループを10社、
2位のグループを10社、3位のグループを10社。

提出締め切りの日程をカレンダーに書いて、基本は1位のグループから優先的に作っていく。
そして1位のグループが期限内に全部書けそうだったら、2位のグループで期限が早いものから書いていく。
みたいな方法で作っていかないと、志望度が高い企業のエントリーシートが作り込めなくて、もったいないことになりそうですね。

ヒカリ

わかりました!
それでやってみます!

就活マスター

そしてトオルさんは少なすぎる!
100%ストライクゾーンに当てはまる会社じゃなくても、60%超えたらトライしてみる!ぐらいの勢いで良いと思いますよ。

実戦経験を積まないまま、志望度の高い企業の面接に臨むと、人一倍緊張して本来の力を発揮できない可能性が高まります!

とにかく最初は実戦経験を積むだけでも価値が高いので、まず行動です!

トオル

は、はい・・・


何とか頑張ります!!

ヒカリ

トオルはゆっくりゆっくり進むからカタツムリ就活!

そんなペースで就活してたら卒業しちゃうよー!!

トオル

わかってるよ・・・

ってかカタツムリは嫌だから、せめてダンゴムシにしてくれ!

ヒカリ

ちょっとだけスピード上がったけど、、、笑

結局、遅いままじゃん!!