_面接で緊張しやすい人へ

内容ダイジェスト】

◆緊張の種類は2つ
 (1)事前準備不足で不安からくる緊張
 ⇒こっちは自分の努力でどうにかする!
 (2)失敗したくないという想いからくる緊張
 ⇒こっちは事前準備をしても緊張するので対策が必要!

◆緊張のメカニズムは?
 意識の矢印が自分に向いていると緊張する
 意識の矢印が相手に向いていると緊張しない

◆意識の矢印を相手に向けるためには?
 相手に興味をもつ!
 「失敗したくない」「良く見せたい」は全て自分に矢印が向いている状態

プロローグ
就活でよくある悩みや陥りがちな罠を紹介しながら、ストーリー形式で解決していく構成になってます。登場人物と自分の性格を照らし合わせて、共感できる部分はぜひ参考にしてください。

登場人物

~就活マスター~

就活のことなら何でも知ってるプロのアドバイザー。

~ヒカリ(就活生)~

社交的で楽観的な性格。直感で判断することが多く論理性に課題。

~トオル(就活生)~

冷静でクールな性格。頭で考えすぎて動けない事が多く行動力に課題。


トオル

面接になったら、ちゃんと話せるか不安だな~。
せっかく準備しても緊張で話せなかったら意味ないもんな~!

ヒカリはあんまり緊張とかしないんだろ?

ヒカリ

そんなことないよ!私も人並みに緊張するって!
意外と繊細な性格なんだから!

就活マスター

どうしたんですか?

ヒカリ

面接で緊張したらどうしようって話をしてたんです!
私は緊張しない生き物だ!みたいな言い方をするもんだから、私の繊細な性格をちゃんと説明しようと思ったんです!

就活マスター

あれ?ヒカリさんも緊張するんですか?
意外ですね!!

ヒカリ

もぉ~!マスターまで~!!

やっぱ緊張ってどうしようもないですよね?
何か対策ってあったりしますか?

就活マスター

ありますよ!!
劇的に効く方法ではないですけど、多少役に立つ情報はお伝えできるかと・・・

ヒカリ

さすがマスター!
それ知りたいです!!

トオル

ぜひ!聞いておきたいです!
何もないと不安で不安で・・・

就活マスター

わかりました。
ただし、全ての緊張がこの方法で解決できるわけではなく、あくまでも心理的に少し楽になる程度と認識しておいてください!

まず、緊張するパターンからお伝えしましょう。

面接で緊張する時は大きく2パターンです。
(1)事前準備が出来ていなくて、不安からくる緊張
(2)事前準備は出来ているが、失敗したくないという想いからくる緊張

(1)の緊張に関しては、事前準備をすれば解消されるので、ここは個人で努力してください。

問題は(2)の緊張です。
しっかり準備をしているのに緊張してしまう。これは真面目に取り組んでいるからこそ発生してしまう現象です。
ここをどうやって解消していけば良いのか、解説していきます。

ここまで大丈夫ですか?

トオル

はい!大丈夫です!
事前準備が出来ていない時の緊張は自分の責任なので、努力で何とかカバーします!

ヒカリ

私も大丈夫です。
失敗したくなくて緊張するほうが経験あるので、解消方法が気になります!

就活マスター

では続けますね。
緊張するパターンを話しましたが、次はなぜ緊張するのか、メカニズムを説明します。

私が考える緊張の原因は”意識の矢印”だと思ってます。
これだけだと意味不明ですよね。
具体的な例をあげて説明します。

例えば、ヒカリさんが大学の講義を受けている場面を想像してください。
教壇で講師が熱心に話をしています。講師の話を聞いているヒカリさんは緊張しますか?

ヒカリ

まさか!
人の話を聞いている時に緊張したことはないです。

就活マスター

そうですよね。
では、そこで講師から指名されて、教壇で何かを発表することになったら、どうですか?緊張しますか?

ヒカリ

もちろん、緊張します!
人前で話すとなったら、頭が真っ白になる時もあります。

就活マスター

なるほど。
人の話を聞いてるときは緊張しないけど、自分が話す立場になると緊張するわけですね。

トオル

それって普通のことじゃないですか?

就活マスター

そうなんです!普通のことだから、当たり前と思って、それ以上考えないのです。
実はこの当たり前の現象をちゃんと考えると、緊張のメカニズムが見えてきます。

先ほど、”意識の矢印”がポイントと伝えましたが、人の話を聞いている時の自分の意識はどこに向かってますか?

トオル

話している人です。
さっきの例だと講師に向いてます。

就活マスター

そうです。
では、自分が話をするときは、意識がどこに向いているかわかりますか?

ヒカリ

あっ!自分だ!!
失敗したくないという想いは自分自身に対しての意識だから、自分が話をするときは意識が自分に向いてます。

就活マスター

その通りです!
意識が「人に向かっているのか」「自分に向かっているのか」で、緊張するかどうかが決まるのです。
これが”意識の矢印”の正体です。

例えば、急に地震が発生して、講義で集まっている人に対して安全確保の避難指示を出す時を想像してみてください。
多くの人の前で話をするシチュエーションは変わりませんが、この時ヒカリさんは緊張すると思いますか?

ヒカリ

いや、そんな緊急事態の時に緊張はしないと思います。まず人の安全第一を考えないといけないので、緊張してる場合じゃないです。

就活マスター

そうですよね。
緊急事態で人の安全を確保するために指示出す人が、緊張して全然しゃべれないとかイメージないですよね。

ではこの時、”意識の矢印”はどうなってますか?

ヒカリ

あっ!人に向いてます!
ここにいる人たちの安全を考えて指示を出しているので、大勢の人に意識が向いてます!

就活マスター

これで緊張のメカニズムが何となくイメージできましたかね?
大勢の前でしゃべること自体が緊張を生み出しているわけではなく、”意識の矢印”が人に向いていると緊張しない、自分に向いていると緊張する。
すごくシンプルなメカニズムです!

これは就活でも全く一緒ですよ。
面接で緊張するときは、「失敗したくない」とか「少しでも良い印象を与えたい」とか”意識の矢印”が自分に向いてる場合が多いのです。

トオル

すごく納得しました!
今まで、人前で話すと緊張するものだと考えていたので、それ以上原因は考えたことなかったですが、今の説明で自分が緊張してた理由がハッキリしました。

あとは、どうやったら緊張しないようになるのか、具体的な策を考えないとですね。

就活マスター

対策は非常にシンプルです。
”意識の矢印”をいかに人に向けるか、それを考えれば自然と対応策が出てきます。

以前、支援をした就活生の中に極度の緊張で面接になると全くしゃべれない人がいました。私がその就活生に伝えたことはこれだけです。

「面接が終わったら面接官の情報を私に教えてください!」

緊張して話せない原因は”意識の矢印”ではないかと思ったからです。
面接が終わると、その就活生は私にどんな面接官であったか説明をしてくれます。

驚くことに最初は、面接官の情報を全く話せなかったのです。
完全に”意識の矢印”が自分に向いていたため、相手に興味が持てていなかったのです。
このままでは緊張のあまり面接で何も話せない状態が続いてしまうと思い、とにかく面接官の情報さえ教えてくれれば、面接が通過するようになる!と強引なアドバイスをして、何とか”意識の矢印”を人に向けようと試みました。

すると「30代半ばぐらいの男性で、身長はやや高めでした」みたいな表面的な情報ではあるものの、ちょっとずつ情報が話せるようになってきました。
それを1か月ぐらい続けると、「今日の面接官は長野県出身の長男で、趣味は釣りのようです」とだいぶパーソナルな情報も話せるようになりました。

素直で真面目な就活生だったので、私に面接官の情報を教える、ということを愚直に取り組んでくれたのです。
その結果、どうなったかというと、無事に内定を取り就職して、今もその会社で活躍してます。

面白いことに、面接官の情報量が具体的になるにつれて、面接が通過するようになっていったのです。
面接で話せるようになったのは、”意識の矢印”が相手に向いて、緊張しにくくなった事が大きな要因のひとつだったと確信してます。
(面接官の情報が増えたのは、相手に興味をもって面接中に質問を繰り返したからでした)

そして”意識の矢印”を相手に向ける一番の方法は、「面接官に興味を持つ」ことです!
人に意識が向けば緊張しにくくなり、本来の自分の魅力を出しやすい。面接官も本来のその人の魅力を見て合否を出したいはずです。

そもそも自分の成功だけを考えて会話する人と一緒に働きたいと思わないですよね。
だから「面接官に興味を持つ」ということは基本の心構えでも大事なことだと私は思ってます。

トオル

なるほど!「相手に興味を持つ」って当たり前そうで、なかなか実践できてる人は少ないかもしれないですね。
面接で自分!自分!!にならないように気を付けます。

ヒカリ

これを知ってれば、もし緊張しても”意識の矢印”を相手に向ければ大丈夫!って思えるので、焦らずに済みそうです!

就活マスター

ただ、冒頭でも伝えた通り、万能薬ではないので、少し役に立つ情報程度に捉えてください。

「面接官に興味を持つ」以外にも方法はあると思うので、自分に合った緊張解消法を探してみてください。

ヒカリ

手に「人」って書いて3回飲むと緊張しないって聞いたことあるけど・・・

トオル

どんだけ昔の情報だよ!

就活マスター

それは思い込み心理ですね。
プロスポーツ選手でもよく聞きますが、何かルーティンワークを決めて、これをやれば成功する、という自分ルールを作るのです。
そしてそのルーティンワークをやることで自己暗示をかけて、うまくいくと思い込む方法です。

それに似た方法だと、過去にいた就活生で演劇部に所属している人が、面接の場を「舞台」と思い込んで、就活生の役作りをした結果、全然緊張せずに話せたというエピソードを聞いたことがあります。

ヒカリ

それいいですね!
私も演劇始めようかな!

トオル

今からじゃ遅いだろ!
演技力をつける頃には、卒業してるよ!

ヒカリ

やっぱり遅いか~!!

別の方法考えよっ♪