_企業が見ているポイント

内容ダイジェスト】

◆履歴書やESで「好きアピール」はNG
 ・他の就活生と差別化が図れない
 ・好きな面しか見えてないとマイナスポイント
 ・もし「好きアピール」をするなら大変な面も添える

◆「経験」をアピールするのはNG
 ・他の就活生と差別化が図れない

◆アピールすべきは経験を通して得た「成果」
 ・成果=成功ではない!
 ⇒成果とは「そこから何を学び、次にどう活かしたか」

◆学生時代の経験を直接仕事に結びつけるPRはNG
 ・直接的な能力ではなく、汎用的な能力をアピール!
 ・基礎や土台の能力があることをアピールした方が◎

プロローグ
就活でよくある悩みや陥りがちな罠を紹介しながら、ストーリー形式で解決していく構成になってます。登場人物と自分の性格を照らし合わせて、共感できる部分はぜひ参考にしてください。

登場人物

~就活マスター~

就活のことなら何でも知ってるプロのアドバイザー。

~ヒカリ(就活生)~

社交的で楽観的な性格。直感で判断することが多く論理性に課題。

~トオル(就活生)~

冷静でクールな性格。頭で考えすぎて動けない事が多く行動力に課題。


ヒカリ

私、文章書くのが苦手なんですけど、どういう文章が企業からポイント高いか知りたいです!

就活マスター

わかりました。
今日は文章を書く時のコツを教えます!

まずは企業が見ているポイントを理解するところから始めましょう!

ヒカリ

よろしくお願いします!!

就活マスター

ではいきなりですが、質問です!

次の文章は、どちらがポイント高いと思いますか?

(A)貴社の商品が大好きです。
(B)商品の社会性が魅力です。

ヒカリ

Aです!
商品が大好きな人のほうがモチベーション高く働いてくれそうなので!

就活マスター

そういう考え方もありますね。
でも答えはBです!

なぜかというと「好き」は企業からすると当たり前だからです。
想像してみてください。その会社の商品を嫌いな人が選考を受けますか?
絶対受けません。

ということは、選考を受けている人=その会社の商品(サービス)が好きなのです。
なのに、「好き」という気持ちをアピールしても、相手からすると「まぁうちを受けてるんだから、そうでしょうね」と思われて終わりです。
それ以上でもそれ以下でもありません。

履歴書やエントリ―シートで文章を書くときに、「好きアピール」はNGと心得ておきましょう!

ヒカリ

言われてみればそうですね!
「好き」をアピールしても他の就活生と差別化は図れないですね。

トオル

でも、「好き」というアピールは差別化が図れなくても、マイナスにはならないんじゃないですか?
NGとまでは・・

就活マスター

では、「好き」アピールばかりするとマイナスになる面をお見せしましょう。

例えば、遊園地によくいる着ぐるみのバイトを希望している人がいたとします。
トオルさんは面接官の気持ちで聞いてください。

「着ぐるみのバイトって魅力的ですよね。人を笑顔にできるし、みんな寄ってきてくれるし、それでお金ももらえて言うことなしです。こんな完璧なバイトやったことがないので、ぜひここで着ぐるみのバイトやらせてください」
と言われたAさんと、

「着ぐるみのバイトって魅力的ですよね。ただ夏場はものすごく暑くて体力の消耗も激しいし、急に叩かれたりするので、他のバイトよりハードな仕事だと思います。それでも人を笑顔にできるし、みんな寄ってきてくれるし、それでお金ももらえる。ぜひここでバイトやらせてください」
と言われたBさん

AさんとBさんどちらを採用しますか?

トオル

当然、Bさんです。

就活マスター

なぜですか?

トオル

なんていうか、Aさんは良い面しか見えてない気がして、キツイことがあったら耐えられるかなと心配になりました。

でもBさんは大変なところも知った上で、魅力のほうが上回ると言っていました。大変でもこの仕事がしたいという想いがあり、覚悟みたいなものを感じました。

就活マスター

素晴らしい!完璧な回答です!!
これでわかったと思います。

「好き」だけアピールは相手を不安にさせることがあります。
これが「好きアピール」はNGと伝えた理由です。

ただし、その仕事の大変な面にも目を向けて、それを知った上で「好き」なんです!というアピールであれば、まだOKです!

ヒカリ

聞いといて良かった~!
私は「好きアピール」をガンガン使おうと思ってたので、危なかったです!

就活マスター

次によくありがちなミスですが、文章化する際に、「経験」を一生懸命アピールしてる人がいます。

これは特殊な人を除いて、一般的には誤ったアピールです。
なぜかというと、「経験」ではその人の能力は図れないからです。
また他の就活生と差別化も図れません。

なぜ差別化が図れないかというと、「大学時代に力を入れたこと」の経験にもってくるネタは大きく3つに集約されるからです。
【バイト】【ゼミ】【サークル】です。
この3つで就活生全体の8割ぐらいを占めているので、面接官からすると「またバイトの話ね」となり、差別化になりにくいのです。

では何をアピールすれば良いのかというと、「成果」です。
ここで間違えてほしくないのは【成果=成功】ではありません。
その経験から何を学んだのか、そして次にどう活かせたのか。これが一番重要で、企業も興味があるところです!

バイトの経験は他の就活生と似ていても、そこから学んだことは人それぞれ結構違います。
そこで差別化を図りましょう!!

例えば、「バイトで失敗した経験から、事前準備の重要性を知りました。その教訓をインターンで活かすことができて・・」みたいな失敗談からでも、次に活かせているので立派な成果です!

ぜひ「経験」ではなく「成果」に目を向けて、文章を構成してみてください。

トオル

なるほど、参考になりました!
大学生の経験は大体似たようなもんですからね!
経験で差別化図れないのはイメージわきます!

ヒカリ

成果=成功じゃなくても良いのがホッとしました!
私失敗ばっかりだから!笑

文章書くときは「学んだ事」と「次に活かせた事」を意識的に書いてみます!

就活マスター

2人とも徐々に企業が見るポイントを掴んできましたね!

では最後に能力をアピールするときの注意点です。

広告業界を希望している人が、「私は文化祭で、チラシ作りからPRまで一貫して、プロデュースしました。この経験を活かして、御社でも企業のPRを任せてもらい活躍したいです」と言った場合、どうなると思いますか?

トオル

んー、悪くない経験だと思うんですが、、、ダメですか??

週末マスター

これは非常にリスクの高い志望動機ですね。
はっきり言ってやめたほうが良いです。

トオル

えっ?!そうなんですか?
なぜですか??

就活マスター

ではこれも逆の立場になってみましょう。

トオルさんは10年サッカーを続けている高校サッカーの部長だとしましょう。
そこへサッカーの経験が全くない新入生が目の前にきて、「私はサッカー部で活躍できるので入部させてください。理由は、中学校の球技大会でキーパーをやって活躍したからです。この経験を活かして・・・」と説明をされたときに、どう思いますか?

トオル

そんなちょっとの経験で、デキるような事言うなって思います!

就活マスター

企業も一緒です!
学生時代の1~2回の成功体験は、何年もその業界で働いている人からすると、成功体験に入りません。
だから先ほどの広告業界を志望している人のセリフは、面接官からすると「そんなちょっとの経験で、デキるような事言うな」って思います。

ヒカリ

その通りですね!
でも、就活生からするとちょっとでも経験あるほうが面接で有利だと感じてしまうんですが、そんなことはないんですか?

就活マスター

はい、心配ありません。
学生同士で見ると経験レベル2の人と経験レベル6の人は3倍も違うので、すごい経験をしているように思えます。
そしてそんな経験をしている人に面接で勝てないと思ってしまいます。

でも、経験レベル100の社会人からすると、2も6も両方「未熟」な部類に入ります。
どちらかというと、今のレベルより、どちらのほうが早く100まで到達しそうかな?というポテンシャルを見ます。

ヒカリ

そうなんですね!
じゃああまり気にしないでおきます!

トオル

じゃあ、どうやってポテンシャル(伸びしろ)をアピールすれば良いんですか?

就活マスター

そうです!そこが重要です!

どうすれば良いのかというと、直接的な能力をアピールするのではなく、汎用的な能力をアピールするのです。

さっきの広告業界を希望する人の例でいうと、PRした経験を直接的に仕事に活かすようなアピール方法はNGでしたね。

これを汎用的な能力で伝える方法は、
「文化祭当日を迎えるまで、何度も失敗をしましたが、トライ&エラーを繰り返すことで挑戦する楽しさを学びました。このチャレンジ精神を活かして・・・」のように仕事をするための土台がしっかりしてますアピールであれば相手も受け入れやすいです。

サッカー部の例でいうと、体力と根性はあるので、練習に必死に食らいつくことはできますアピールのほうが、部長としてはしっくりくるでしょう。

トオル

確かに直接能力を活かせるような言い方より、仕事をする上で土台となる基礎力がある人のほうが、将来のポテンシャル(伸びしろ)を感じますね!

就活マスター

ざっくりまとめると、
「好きアピール」はNG
もし好きをアピールするのであれば、大変な面も知った上で志望している旨を書く。

「経験」より「成果」をアピール
成果=成功ではなく、何を学び、次にどう活かしたのかを書く。

能力をアピールするときは、直接的な能力ではなく、汎用的な能力を書く。
学生同士の2とか6の小さな差は、100の社会人からするとほぼ関係無い。

いかがですか。
企業が見るポイントは把握できましたか?

トオル

はい!逆の立場になって考えると納得することばかりでした!迷った時は企業の目線になって考えてみます。

就活マスター

いいことですね!

ヒカリ

私はポイントが把握できたおかげで、”やりがちなミス”をしなくて済みそうです!

就活マスター

期待してますよ!

ヒカリ

実際に書いてみよーっと、

えーっと・・・

「御社を志望する理由は・・・

トオル

文章で書くときは「御社」じゃなくて「貴社」だぞ!

就活マスター

”やりがちなミス”・・・

早速やっちゃいましたね。

ヒカリ

あっ!
やっちゃったー!!笑