_業界研究のコツ
【内容ダイジェスト】
◆業界研究のコツは3つの軸で情報整理
(1)どんな問題を解決しているのか
(2)お金はどこからどこに動いているのか
(3)関係している業界はどこなのか
◆どんな問題を解決しているのか知る方法
⇒その業界が存在しなかったら何が困るかイメージする
◆お金がどう動いているのか知る方法
⇒どんなタイミングで誰が、何に対してお金を払うのか把握する
※「いつ」「誰が」「何に」の視点でビジネスモデルを見てみる
◆関係している業界を調べる意味
・説得力に差が出る
・志望業界の将来性を予想するために必要
【プロローグ】
就活でよくある悩みや陥りがちな罠を紹介しながら、ストーリー形式で解決していく構成になってます。登場人物と自分の性格を照らし合わせて、共感できる部分はぜひ参考にしてください。
【登場人物】

~就活マスター~
就活のことなら何でも知ってるプロのアドバイザー。

~ヒカリ(就活生)~
社交的で楽観的な性格。直感で判断することが多く論理性に課題。

~トオル(就活生)~
冷静でクールな性格。頭で考えすぎて動けない事が多く行動力に課題。

ちょっと気になる業界が出てきたので、詳しくなりたいんですけど、業界研究の方法を教えてもらえませんか?!

自分はまだどんな業界が良さそうか見当が付いていないので、絞り込むために業界研究の方法が知りたいです。

いいでしょう!
二人ともちょっと目的が違いますが、業界研究の方法は同じなので、一緒に解説していきますね。
今はインターネットで検索すれば色々な情報が出てくるので、業界に関する情報は自分で収集してください。
ただ情報が多すぎて、どこまで調べたら良いのか、どんな情報が本当に参考になるのか、このあたりが難しくなってます。
いわゆる情報整理です。
私は情報整理の方法についてアドバイスをするので、参考にしてみてください。
業界研究は大きく3つのカテゴリーで情報整理してください。
(1)どんな問題を解決しているのか
(2)お金はどこからどこに動いてるのか
(3)関係している業界はどこなのか
必ず(1)から(3)の順に進める必要はありません。どんな順番でも良いので、この3つを抑えておけば、その業界のことは大体把握できるというイメージで捉えてください。
まずひとつ目の「どんな問題を解決しているのか」について説明します。
どんな業界も何かしら社会を良くするために存在しています。良くするということは、逆にいうと悪い部分が存在するということです。
その悪い部分を解決するために、それぞれの業界が存在していると考えてください。

それぞれの業界が存在している意味をまず理解することが大事ってことですね。

そうです。存在している意味を理解するために、その業界がどうやって社会の役に立っているのか知る必要があります。
では、どうすればその業界が「どんな問題を解決しているのか」がわかるのでしょうか。
答えは、その業界が存在しなかったら何が困るのか、を想像することです。
例えば、不動産業界で想像してみましょう。
不動産業界が存在しなかったら、家に住もう!と思った時に、仲介してくれる人がいません。したがって誰も家に住むことができません。
(建築業界があれば家は建ちますが、それを売ったり、貸したりすることができない)
また土地開発がされないので、新しいレジャー施設や商業施設が建つこともありません。だから新しいデートスポットも生まれないし、遊べる場所も増えません。
他にもたくさん出てきますが、その業界が存在しなかったら、困ることがたくさんありますね。
こうやって不動産業界に関するたくさんの情報を「存在しなかったら何が困るのか」という視点で情報整理すると、その業界の解決している問題がわかります。
それが業界の存在価値です!
ここまで大丈夫ですか?

はい!情報整理のイメージわきました!
色々な業界の情報を「どんな問題を解決しているのか」という軸で見てみて、魅力を感じる業界や、将来性を感じる業界をピックアップしてみます。

私は気になる業界に当てはめて考えてみます。

では次に「お金はどこからどこに動いているのか」について説明していきます。
これは業界のビジネスモデルを意味します。
お金を払ってくれる人(企業)がお客様で、何に対してお金を払うのかが商品(サービス)になります。
みなさんが消費者として使っているものとして身近なSNSを例に説明しましょう。
例えばLINEは、ほぼ毎日使っていると思いますが、LINEにお金を払っていますか?
スタンプを買ったりすれば払いますが、サービス自体にお金はかかりません。
では、お金はどこからどこに動いているのでしょうか。
LINEにお金を払ってくれる人(企業)は広告主です。なのでお客様は広告主になります。
では、何に対してお金を払っているのかというと、LINEを使っているユーザー数の魅力にお金を払ってます。
広告主は多くの人に知ってもらいたいわけですから、ユーザーが多いSNSに広告を出したいと思うのが普通でしょう。
すると、LINEはユーザー数が国内トップクラスのため、広告主からすると非常に魅力的です。
これだけ使ってる人が多いなら高いお金を払っても広告を載せたいです!となるわけです。
LINEはユーザー数が増えれば増えるほど、広告としての価値が上がるので、広告収入が増えます。
だからユーザー数を増やすために、無料で使えるようにしているのです。
これはあくまでも一例ですが、「お金はどこからどこに動いているのか」を把握することで、業界のビジネスモデルが見えてきます。
ここはイメージしやすかったのではないでしょうか。

なるほどー!!
だからあんなに便利なものが無料で使えたんですね!

じゃあYouTubeの再生する前に流れる広告とか、再生中に急に流れる広告は、自分たちが無料でサービスを使うために必要なものなんですね。

察しが良いですね!
YouTubeもユーザーは無料で使えるから、誰かがお金を払ってるわけですね。
それが広告主です!
YouTubeのユーザー数に魅力を感じてお金を出してます。
広告にストレスを感じる人もいるようですが、広告が一切なくなったらYouTubeは赤字でサービス提供が出来なくなります。だから、無料でYouTubeが見れるための、必要な広告だと思って受け入れるしかないですね。

理解しました!
でもやっぱ再生中に広告が出てくるのは、少しストレスですね・・・笑

まぁそうですよね!
頭で理解できても、気持ちのコントロールは難しいですからね。
では最後の「 関係している業界はどこなのか 」を説明していきます。
これはひとつの業界を知ろうと思った時に、関係している他の業界も知っておかないと、情報が偏って正確な判断ができないということです。
そしてこれは面接の時の説得力にも繋がってくるので重要です。
イメージしてみてください。
ディズニー映画の中で「アラジン」が一番面白い!と主張してる女性が2人いたとします。
1人はディズニー映画を全部見た上で、「アラジン」が一番面白い!と言っていて、
もう1人は「アラジン」しか見たことがなくて、一番面白い!と言っているとしましょう。
どちらのほうが説得力ありますか?
明らかにディズニー映画を全部みて「アラジン」が一番面白い!と言っている人のほうです!
「アラジン」しか見てない人は突っ込みどころ満載ですよね。
恋愛系が好きだったら「リトルマーメイド」も面白いから比較したほうが良いよ!
とか
冒険系が好きだったら「ライオンキング」も面白いよ!
とかいくらでも突っ込みできます。
就活も一緒です!
その業界しか調べてない人が、この業界が一番魅力的なので志望してます!と言ったところで、他の業界もこんな魅力あるよ!と突っ込まれたら、それまでです。
ただ、全部の業界を調べることは不可能なので、志望している業界に関係している業界だけは調べておくと良いです。
トオルさんはまだ業界が絞れてないので、ここのパートは後に回した方が良さそうですね。

そうですね。
ある程度業界が絞れたら関係する業界も調べてみます。

私は今メーカーにちょっと興味があるので、それに関係する業界を調べた方が良いということですね。

はい、メーカーであれば、製品を作るために「素材」や「原料」が必要になります。
これは”商社”の仕事ですね。だから商社もある程度理解したほうが良いです。
次に商品を作った後、消費者に売るのは、「店舗」や「ECサイト」を使います。
これは”小売り業界”や”IT業界”と連携するので、ある程度理解しておいたほうが良いです。
そして店舗や消費者にモノを届けるのは”物流業界”で、消費者に買ってもらうためのプロモーションは”広告業界”です。
これだけでも”商社”、”小売り”、”IT”、”物流”、”広告”と複数の業界が出てきました。
特に関係性が強い業界は、そこの変化が直接影響するので、志望している業界へのインパクトもそれなりにあります。
例えば、出版業界であれば本が電子化されることで、関係していた印刷業界が低迷したり、本の中古販売をするビジネスが加速すれば、新品の本は発行部数が低迷したり、メルカリのように個人間で中古本がやり取りできるようになると、そもそも店舗で中古本を売るビジネスが成り立たなくなってきます。
このように関係している業界を知ることは、志望する業界の未来を予想するうえでも重要な情報になってきます。

すごく重要だということがわかりました!
関係している業界を調べる時の情報整理は、
(1)どんな問題を解決しているのか
(2)お金はどこからどこに動いてるのか
の2つで大丈夫ですよね?

そうです!
そこからさらに関係している業界と広げていくと、結局全部の業界を網羅することになってしまうので、まずは「何の問題解決しているのか」「お金がどう動いてるのか」だけで大丈夫です。

業界研究だけでも結構大変なんですね。

大変といえば大変ですが、検索したら情報はたくさん出てくるので、昔に比べるとずいぶん楽ですよ!
インターネットが普及してない時は分厚い本で企業を探したり、情報は足で稼がないと収集できない時代がありましたからね。

ひぇ~!!気が遠くなる~!!
でも就活でダイエットできそう!

たくさん動くし、情報も入手しにくいとなると、その時代は体も頭も疲れそうですね。

私は今日の説明を理解するだけでも、頭疲れちゃったよ・・・
脳に栄養補給するためにチョコ食べよっ♪

就活ダイエットは期待できそうもないですね。

やっぱりそう思います?笑